淫靡な研究室2#06~疑念~
涼介の家に入ると、弥生は涼介の着替えの他、入院の可能性も考えて必要なものを手際良くひととおり揃え床に並べる。床に座り、それらをバッグにつめていた。
そんな弥生を、先程の刑事が見ている。
その視線に弥生は気づくと、バッグのファスナーを閉めながら話しかけた。
「まだ、私の事を疑っているんですか?」
その弥生の言葉が自分に向けたものだと気づくと、刑事は組んでいた腕を解き、返事をする。
「疑うのが商売なんでね。」
そう言って弥生の前に片膝をついて弥生の目をみる。
「個人的には疑いたくないんだがね。」
「えっ?」
弥生が驚いていると、刑事はバッグを掴み、立ち上がる。
「荷物はこれだけか?病院まで送って行く。」
そう言って玄関へと歩き始めた。
「大丈夫です。1人で戻れます。」
弥生がそう言うと刑事は振り返る。
「被害者の怪我の理由がわからない限り、用心するべきだ。あんたもノコノコこんなところに1人で来るんじゃない。もし、事件だとして、あんたがここに出入りしているのを見られたらどうするんだ?」
弥生の顔が一気に青ざめる。
おどかしすぎたか?
刑事はそう思った。
まあ怖くなってここに来ようなんて思わなくなる方がまだいいか。
しかし弥生の反応は刑事の考えとは異っていた。
「涼介さんの怪我、やっぱり事件なんですか?涼介さん、また狙われたんですか?」
自分の身よりも、オトコの心配が先、か。
刑事はフッと笑うと、玄関にいた他の刑事に声をかけ、廊下へ出た。
病院につき、警察の車を降りると、弥生は車の中を覗き込み礼を言う。
「ありがとうございました。え…と…。」
「町田だ。あんたも大変だろうががんばれよ。あ、あとなにか困ったことがあったらここに連絡してくれ。」
そう言って名刺を一枚渡した。
「政財界にも名を馳せている佐伯会の次男が襲われたかもしれないということで、上がピリピリしている。極力原因が早くわかるように努力するから…」
照れたように鼻の下に指を当てた町田を見て、弥生は小首をかしげる。
「だから、あんたもあんまり泣くな。」
弥生は驚いたがすぐに笑顔になり礼を言った。
町田は軽く手をあげると、そのまま車を出した。
しばらく走り、赤信号で止まる。
町田は何か心に引っかかるものを感じた。
「なんか、さっきの言葉。どこかしっくりこないものを感じた。どこだ?」
独り言のように呟くと、結んだ拳を唇にあて考え込む。
信号が青になっても気がつかず、後ろの車にクラクションを鳴らされ、思考が中断した。
「この感覚は、何か腑に落ちない時の感覚だ。……あの女は何かを隠している。」
そう思い、署に戻る予定だった車の行き先を、涼介の大学へと変更した。
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