淫靡な研究室2#08~失言~
エレベーターに乗り、一階のロビーに出ると、マンションの外に涼介の姿があった。
「涼介さんっ」
弥生の声は届かず、涼介は拾ったタクシーに乗り込んだ。
弥生は青ざめる。
ちょうど流しのタクシーが捕まり、前のタクシーを追うよう伝えた。
弥生は胸の前でギュッと手を握りしめる。
タクシーは大学の敷地内で止まり、弥生もそのすぐ後ろにタクシーを停めてもらう。
「あ。」
弥生はその時初めて、自分が何も持ってきないことに気がついた。
「あって、お客さん、財布持ってないの?困るんだけど?!」
運転手の声に、弥生はたじろぐ。
運転手は振り返り、弥生の躯を上から下まで舐めるように見渡すと、舌で唇をぺろっと舐め、いやらしい笑みを浮かべながらいった。
「お客さん、かわいいから、躯で払ってもらってもいいよ。」
そう言って弥生の膝に手を延ばす。
弥生はびくっとして後ずさる。
ガチャッ
弥生の横のドアが開き、運転手の伸ばした手をはたき落とすように一万円札が押し付けられた。
「いててっ。」
運転手はたまらず肩を抑える。
「それでたりるでしょう?さぁ、降りますよ。」
そう言って弥生の二の腕を掴むと、タクシーから引っ張り出した。
「涼介さんっ。」
涼介は厳しい目を弥生に向けた後、ふうっとため息をついた。
「まったく。貴女は危なっかしくって放っておけません。」
そう言ってふっと笑う。
久々に見た涼介の笑みに、弥生はじわっと涙ぐむ。
しかし、キッと涼介を睨む。
「危なっかしいのは、あなたですっ。また狙われたりしたらどうするんですかっ。いくらあの代議士が刑務所に入っているからって、他に狙っている人がいたらどうするんですかっ」
涼介は驚いて弥生を見ている。
「どういう意味ですか?代議士って、なんですか?私はなにか狙われるようなことがあるんですか?」
矢継ぎ早に涼介が質問してくる。
弥生は明らかに喋りすぎたという顔をして、俯き黙っている。
「教えてくださいっ。貴女は私の何を知っているんですか?!」
涼介が弥生の肩を掴み揺さぶる。
「その話、俺も聞きたいな。」
気がつけば横に刑事の町田が立っていた。
- 関連記事
-
- 淫靡な研究室2#10~潜在意識~
- 淫靡な研究室2#09~能力を狙う者~
- 淫靡な研究室2#08~失言~
- 淫靡な研究室2#07~愛する資格~
- 淫靡な研究室2#06~疑念~
←お礼ページ始めました♪
FC2ブログランキングに参加しています よかったら「つん」ってしてね♪ |
にほんブログ村ランキング(愛欲小説)にも参加 しています。押してもらえると小躍りします♪♪ |
人気ブログランキング(官能小説)に復帰でき ました♪押してもらえると跳ねて喜びます♪♪ |
官能小説.comのランキングに参加してみました♪ よかったらこちらもクリックしてみてください♪♪ |
官能文書わーるどのランキングに参加してみました♪ よかったらこちらもクリックしてみてください♪♪ |
いつも応援してくださってありがとうございます!!みんな優しくって大好きですっ
ささやかなお願い:
当ブログには「inポイントを稼ぐための騙しリンク」や「PVを稼ぐための意味の無い大量の空白行」はありません。
皆さんの愛(クリックや閲覧)だけで成り立っています。もし「しょうがねぇな、少しは応援してやるか」という気持ちになられましたら、バンバンクリックしていただけると泣いて喜びます。
当ブログには「inポイントを稼ぐための騙しリンク」や「PVを稼ぐための意味の無い大量の空白行」はありません。
皆さんの愛(クリックや閲覧)だけで成り立っています。もし「しょうがねぇな、少しは応援してやるか」という気持ちになられましたら、バンバンクリックしていただけると泣いて喜びます。
淫靡な研究室2 - 関連記事
- 淫靡な研究室2#10~潜在意識~(2013.11.06)
- 淫靡な研究室2#09~能力を狙う者~(2013.11.05)
- 淫靡な研究室2#08~失言~(2013.11.03)
- 淫靡な研究室2#07~愛する資格~(2013.11.02)
- 淫靡な研究室2#06~疑念~(2013.11.01)