俺様王子とヒミツの契約#68~信じられない光景~
ガチャっという音と共に、玄関のドアが勢い良く開きウルが入ってきた。
「遅かったな。」
たまたま廊下にいたアルが、ウルに声をかける。
ウルは無言でアルの横を通り過ぎると、リビングに通じるドアを乱暴に開けた。
リビングにいた一同が驚いてウルに注目する。
「びっくりしたぁ。ウル、おかえり。」
まりあがにっこり笑ってそう話しかけると、ウルの指がピクリと動いた。
『己(おの)が欲望を叶えよ。』
暗く淀んだ声が、ウルの頭に響く。
「・・・りあ・・が、ほし・・・。」
『己が欲するまま、奪え。』
「・・・っああアアっ。」
ウルは突然雄叫びをあげたかと思うと、まりあめがけて突進してきた。
咄嗟に前に立ちふさがったイルを、ウルは肩を当て弾き飛ばす。
ドスンと大きな音を立て、イルが部屋の壁に激突し、ズルズルっと床へと崩れ落ちた。
「ウルッ?!」
アルはウルを取り押さえようと後ろから羽交い締めにしようとしたが、それよりも早くウルは空中へと軽やかにジャンプし、天井に足をついたかと思うと反転してアルの後頭部を蹴り上げた。
スタッと音もなく床に降り立つウルの後ろで、ドサッという音と共にアルが床に倒れこむ。
目の前で起きている事が理解できないでいるまりあは、目を見開いてウルを見た。
眺めの前髪からのぞきみえるその瞳は、赤く光っていた。
ふぅ~と息を整えるように眺めに吐いたウルは、スッと手を前に差し出す。
「まりあ。来い。」
まりあはだまって首を横に振る。
そんなまりあの肩を抱くようにぽむっと腕の中におさめた桃太郎が、斜に構えウルを睨みつけた。
「ウ・・・」
桃太郎が話しかけようと口を開いた瞬間、ウルは電光石火の如く桃太郎の背後に回り、その首筋に手刀を落とす。
「くっ・・・」
油断していた桃太郎は顔を歪めそのまま床へと倒れた。
「桃太郎っ。みんなっ。」
まりあはまわりを見回して声をかける。そして桃太郎を揺すり起こそうとしゃがみかけた瞬間、腕を取られ強引に立たされた。
「んっっ」
ウルに抗議しようと顔を向けた瞬間、唇が塞がれる。
まりあが顔をそむけないよう、両手でしっかりと覆い、押し付けるようにキスをする。
———ウルっ。こんなのウルじゃないっ。
まりあはウルの腕を叩きながら、心の中でそう叫んでいた。
↓よろしければ、1日1回、愛のクリックをお願いします♪更新の励みになります♪
- 関連記事
-
- 俺様王子とヒミツの契約#70~向き合う姿勢~
- 俺様王子とヒミツの契約#69~願い~
- 俺様王子とヒミツの契約#68~信じられない光景~
- 俺様王子とヒミツの契約#67~タイマノイン~
- 俺様王子とヒミツの契約#66~許せない自分~
←お礼ページ始めました♪
FC2ブログランキングに参加しています よかったら「つん」ってしてね♪ |
にほんブログ村ランキング(愛欲小説)にも参加 しています。押してもらえると小躍りします♪♪ |
人気ブログランキング(官能小説)に復帰でき ました♪押してもらえると跳ねて喜びます♪♪ |
官能小説.comのランキングに参加してみました♪ よかったらこちらもクリックしてみてください♪♪ |
官能文書わーるどのランキングに参加してみました♪ よかったらこちらもクリックしてみてください♪♪ |
いつも応援してくださってありがとうございます!!みんな優しくって大好きですっ
ささやかなお願い:
当ブログには「inポイントを稼ぐための騙しリンク」や「PVを稼ぐための意味の無い大量の空白行」はありません。
皆さんの愛(クリックや閲覧)だけで成り立っています。もし「しょうがねぇな、少しは応援してやるか」という気持ちになられましたら、バンバンクリックしていただけると泣いて喜びます。
当ブログには「inポイントを稼ぐための騙しリンク」や「PVを稼ぐための意味の無い大量の空白行」はありません。
皆さんの愛(クリックや閲覧)だけで成り立っています。もし「しょうがねぇな、少しは応援してやるか」という気持ちになられましたら、バンバンクリックしていただけると泣いて喜びます。
官能小説 : 俺様王子とヒミツの契約 - 関連記事
- 俺様王子とヒミツの契約#70~向き合う姿勢~(2014.08.13)
- 俺様王子とヒミツの契約#69~願い~(2014.08.12)
- 俺様王子とヒミツの契約#68~信じられない光景~(2014.08.05)
- 俺様王子とヒミツの契約#67~タイマノイン~(2014.08.04)
- 俺様王子とヒミツの契約#66~許せない自分~(2014.08.01)