俺様王子とヒミツの契約#43～衝動～

「ね、イル。次はあのお店に行きたい。」

まりあがイルの腕を引っ張り、若者向けの衣類を扱う店に入る。

「へぇぇ。今どきの若い子は、こういう服が好きなんだぁ～。」

まりあがそう言うと、まわりから失笑が漏れる。

「なにあれ、おばさん発言じゃん。」

「っていうか、なんでここにいんの？」

まりあのこめかみがぴくぴくと動くが、ここでたじろぐまりあではない。

なにしろ今回は情報収集に来ているのだ。こんなことぐらいでたじろいでは、なにもわからない。

ティーンズ誌の編集長になって、正直なにから手をつけていいのかわからない。

そもそもティーンズ誌って何を扱っているのかも、まりあにはわからなかった。

『何事も、相手を知ることから始まる』

自分の言葉にハッとなった。そうだ、まず、"今どきの若者"が何を考えて、何を欲しがっているのか、そこからまず知ろうと思った。だから若者であふれるこのショップへとやってきた。


まりあは店内を見回し２～３洋服を手に取ると、フィッティングルームへと入った。

なぜかそこにイルもいる。

おもむろに服を脱ごうとしたまりあは、驚いてイルの方に振り返る。

「なんでイルまで入ってるのよっ。」

「・・・店員に"彼氏さんも一緒にどうぞ"って、返事も聞かずに押し込まれた・・・。」

フィッティングルームには椅子があり、彼氏はそこで座りながら彼女を鑑賞する仕組みらしい。

「もう、イル。見ないでよ？」

そう言ってイルに背中を向けさせ、まりあは着替えはじめた。

まりあもイルに背中を向けて着替えはじめる。

まりあに背中を向けているイルが、ふとハンガーラックの四角い支柱にまりあが映っているのに気が付いた。

———見ちゃ、だめだ。

そう思いながらも、まりあの後ろ姿から目が離せない。

なだらかなカーブを描いたその身体に、イルはドクンと、いままでに感じたことのない感情が沸き起こってくるのを感じた。

———まりあ。

振り向いて抱きしめたい衝動に駆られる。しかしまりあは王子のモノだ。イルはきゅっと拳を握ってその衝動と戦っていた。



「イル。おまたせ♪」

その声に振り返ると、そこにはまりあが笑っていた。

そんなまりあがまぶしくて、イルは目を細めた。



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こんにちわ。まぬかんです♪
おひさしぶりです～。またお会いできてうれしいです～

お休み中にも拘わらず、バナークリックや拍手や拍手コメントなど、愛をいただきましてありがとうございました。

拍手コメやコメントなどは、すべて読ませていただきました♪もう～うれしすぎです～。

しばらくは更新したりしなかったりと、不定期な更新が続くかもしれませんが、それでも帰ってきたくなっちゃって。

帰ってきちゃいました(笑)

やりたいことはすべて終わったのか？という問いには、えーと、やりたいことが３つあったんですが、１つしか終わりませんでした。てへっ。

その理由を書いてみたりもしたのですが、べつに理由を聞いたって、ねぇ。「だから？」ってかんじですよね。うんうん。

そんなわけで、しばらくはまったり更新ですが、どうぞよろしくお願いいたします～。

大大大好きです～

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