【妄想彼氏番外編】ヨコシマな願いは叶わない #10
「こんこん」
遥の部屋のドアをノックしたが、中からは返事がなかった。
祐介は静かにドアを開け中を確かめたが遥の姿はなかった。
変わりにベッドの上の布団がこんもりと高くなっている。
ドアを閉め、遥の元へと歩み寄る。
毛足の長いラグが、祐介の足音を吸収する。
祐介はベッドに座り、布団から覗く遥の頭を撫でた。
「お母さんっ。入ってこないでっていったでしょっ」
その手が祐介のものたと気がつかない遥は、被った布団をさらに引き寄せ頭を覆い隠そうとした。しかし祐介の手があるため布団はそれ以上動かない。
「ちょっとお母さんっ。しつこいっ。」
撫で続ける手に苛ついたのか、遥が布団を勢いよくはがし、頭にある手を払いのけながら後ろを向いた。
母親がいると思っていた遥は、祐介の姿を見て驚いた。
「ゆ……すけ?なんで?なんでここにいるの?」
その問いに、祐介はにこっと笑った。
「俺に会いたかっただろ?」
自信たっぷりに笑う祐介に、遥は頬を染めながら口を尖らせる。
「別にっ。祐介なんかっ」
「俺は会いたかったけど?」
遥の言葉に被せるように祐介が言った。
遥の目をまっすぐと見つめながら。
「ゆう…すけ……。」
祐介が遥の頬に手を添え、すぅっと親指でその頬を撫でる。遥はまばたきを忘れたかのように、祐介の顔をじっと見つめている。
「目……閉じなよ。」
「えっ。あっ!」
慌てる遥に、祐介がプッと吹き出した。
「祐介っ。そんなに笑わなくってもいいじゃん!」
祐介はよほどおもしろかったのか、腹を抱え身をよじらせながら笑っている。
「ちょっと、祐介っ!マジひどいんだけどっ!」
「やっといつもの遥に戻った。」
祐介は目の端に涙を浮かべ、呼吸を整えながら遥を見る。
おもしろくなさそうに膨れている遥が、祐介を上目遣いで睨む。
「いつもの、俺が好きな、遥だ。」
その言葉に怒っていたのも忘れ、目を丸くして祐介を見る。
「遥。今度はちゃんと目をつぶりなよ?」
そういって再び遥の頬に手を添え、その距離を近づけていった。
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