すっぴん代議士とフェチ男たち#04~1秒でも早く~
今日の俺---真中 丈は、ある大物政治家を警護している。
綿貫の件もあり、政界全体がザワザワと落ち着かない中で、次の国政選挙では新党を結成して出馬するのではないかと噂されている人物だ。
支持者のなかで、愛想良く笑いながら握手に応じている。
しかし俺の目には偽善者にみえる。
あの作り物の笑顔の裏で、どんな腹黒い事を考えているのか。
その時、ポケットに入っている携帯が激しく振動する。
通常、任務についている時は個人の携帯は電源を切って置くかバイブも着信音もオフにしている。
竹下さんにはそもそも持ってくるなと注意されたが、事情を説明したらわかってもらえた。
その事情が、おそらく今だ。
ゆう子からの緊急発信以外、警護中は受け付けないようになっている。
俺は緊張した面持ちで、携帯が震えている尻を抑える。
横にいる竹下さんが俺の目を見る。
『緊急発信なのか?』
そう目が言っている。
俺は黙って頷く。
しかし、要警護対象者を放って駆けつけるわけにはいかない。
竹下さんはあたりを見回すと、周りに聞こえるように言った。
「お前、次の訪問先の検索と消毒に行って来い。そうしたら今日はもうあがっていいぞ。」
竹下さん。ありがとうございますっ。
俺は精一杯頭を下げた。
「これだけSPがいるんだ。こっちは大丈夫だろう。」
そして小声で付け加えた。
「貸し、イチな。今度おごれ。」
頭を下げ、俺はゆう子のもとへ走り出す。
検索と消毒---次の訪問先に危険なものは無いかという調査とその排除は、ここにくる前に竹下さんと2人ですでに行っている。
つまり、竹下さんは、もうここはいいから、ゆう子のもとへ向かえと言っていたのだった。
ありがとうございます。
ほんと、あなたは漢(おとこ)の中の漢です。
生物学的な分類は女性かもしれませんが、ほんと、漢として尊敬します。
ゆう子の位置情報を確認しようと携帯を取り出す。
いつもの公園の近くのようだった。
地図上に赤い印が点滅している。
急げ!
走れ!
1秒でも早くゆう子のもとへ!!
その時、その印が突然消えた。
ゆう子!
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