【淫靡な研究室番外編】キミに触れる夜#09
---どこだ?どこに向かっている?
姫川を乗せたタクシーはすでに十数分走り続けている。
行先がわからず追っているだけの涼介にはその時間が非常に長く感じた。
住宅街の一角にある家の前で姫川を乗せたタクシーは止まった。少し離れたところに涼介を乗せたタクシーも止まる。
「戻りますので……。ここで待機していていただけますか?」
涼介はそう言い、財布から一万円札を数枚出すと運転手に握らせた。
そして電話を1本入れると、車から降りた。
慎重に姫川の様子を伺う。
姫川は遠目からもわかるほど苛立った様子でインターフォンを押している。
何回か押した後、住民が出たようだった。
「あんたねっ。開けなさいよっ。さっさと!」
そう言うとインターフォンがついた壁をヒールでガシガシと蹴った。
普段のクールビューティからは想像できないその姿にも、涼介は動じず見守る。
やがて玄関ドアが開き、中から気弱そうな男が出てきて姫川を家の中へと招き入れた。
ドアが閉まり、涼介はその表札を確認する。
表札には"塩田"とあった。
玄関ドアを背にして、ドアノブを掴み扉を薄く開ける。すると中から言い争う声が聞こえてきた。
「なんで電話に出ないのよっ。」
「弥生ちゃんと遊んでたんだよっ。これからいいところだったのに邪魔するなっ。」
"弥生"という言葉を聞いて、涼介に緊張が走る。
「何言ってんのよっ。あんたが身代金とかバカなことを言うから!」
「なんのことだよっ。知らないよっ。」
「ふざけるんじゃないわよっ。あんたはあの弥生って女を犯して理事長から身を引かせればいいのよっ。」
「なるほど。そういうことでしたか。」
姫川がギクッとして声のした方をみると、パタンとしまるドアに寄りかかり腕を組みながら自分を睨んでいる涼介と目があった。
「り…じちょう……。なんで、ここに?」
「あなたの後をつけて来ました。」
涼介はそう言って靴のまま玄関を上がり、姫川のもとへツカツカと歩く。
そして姫川の前に立つと、無言で姫川を見下ろした。
「私は…貴方のために……。」
身体を震わせながらそう言う姫川に、涼介はさらに冷たい視線を向ける。
「残念ですよ。」
そう言って姫川の肩を掴み、ぐいっと脇へ押しのける。
壁に背中が当たった姫川は、そのままズルズルと床に座り込んだ。
塩田の姿はすでになく、涼介はあたりを見回す。
視界に地下へと通じる階段を見つけた涼介はためらうこともなく、その階段を降りた。
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