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まぬかん(旧名:h4a管理人)

Author:まぬかん(旧名:h4a管理人)
羽交い絞めにしておっぱいを揉む!
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淫猥病棟#02~君を助けたい~

ガヤガヤ

とあるホテルのホールにて、佐伯涼介の理事長就任パーティが開かれていた。前理事長である佐伯虎二郎の一周忌が過ぎたため、今まで理事長代理をしていた涼介がそのまま理事長となった。

このパーティには、旧佐伯ゼミの人間も招待されていた。ただし岡本は就職した会社の研修で海外に赴任しているため、欠席だった。

「あれ?弥生ちゃん、1人?」

壁際で大人しくしている弥生を見つけた祐介は声をかけた。

「え?ああ、先程まで麗香さんたちがいらしたんですけど、挨拶回りに行ってくるって、いっちゃいました。」

祐介はあたりを見回すと、遠くで人に囲まれている麗香と健一の姿を見つけた。

「あれがウワサの入り婿くん?」

「はい。ほんと仲が良くって、あてられてばっかりです(笑)」

笑う弥生をため息交じりに祐介は見つめる。

「弥生ちゃんさぁ、今、幸せ?」

弥生はびっくりした目で祐介を見る。

「涼介なんてやめて、俺に乗り換えない?」

「また、冗談ばっかり」

弥生は笑いながら後ずさる。しかし後ろはすぐ壁があり、思ったほど距離が取れない。

壁に手をあて、祐介は弥生の顔を覗き込むように近づける。

「俺、本気だよ?弥生ちゃんもさ、一回本気で考えてくれない?」

祐介は真剣な顔で弥生の目を見る。

その時、弥生がトン、と、祐介の胸に飛び込んできた。

一瞬喜んだ祐介は、弥生の息の荒さと体の熱さにハッとした。

「弥生ちゃんっ?!」

倒れそうになる弥生を抱きかかえて、祐介は大きな声で弥生を呼ぶ。

「痛…い。お…なか…。」

祐介は弥生を床に寝かせ、脈をとった後、腹部を触診した。

「弥生ちゃん、ここ、痛い?」

「いた…、痛いっ」

---押された時より手を離した時の方が痛がっている?!

「弥生ちゃん、すぐ助けてやるからなっ。誰かっ。救急車を呼んでくれっ」

祐介は弥生の手を取り脈を測りながら励まし続ける。

そこへ救急隊員が到着した。

「佐伯中央病院に搬送してくれ。俺はそこの外科医だ。俺が執刀する。」

「兄貴っ」

騒ぎに気がついた涼介が祐介のもとに駆け寄る。後ろには麗香と健一もいた。

「恐らく虫垂炎…盲腸だ。しかし腹膜炎を併発しているようだから穿孔…破裂している可能性もある。とにかく一刻も早く手術が必要だっ」

「俺も」

俺も一緒に行くという涼介の言葉を祐介は手をあげ遮った。

「手術は2~3時間かかる。お前が今来てもなにもできる事は無い。このパーティが終わって駆けつけてもまだ手術中だ。お前はここに残っていろ。主役だろ。」

「しかしっ」

「せ…んせ…」

弥生が涼介を呼ぶ。

「だい…じょぶ…ですから…。後で…逢いに…きて…」

そういうと弥生は気を失った。

「弥生っ」

涼介が叫びストレッチャー上の弥生に触れようとしたところを祐介は手で制した。

「触れるな。触れたら激痛が走る。俺に 任せろ。お前は今できる事をしろ。」

涼介はこぶしをぎゅっと握り声を絞り出す。

「兄貴…。頼んだ…。」

任せておけ、というと祐介は走り出した。



数時間後、弥生の手術は無事成功し、一般病棟へと移された。



ナースステーションでは、女性の看護師が数人集まってコソコソと話をしていた。

「ねえ、今日の祐介先生、なんかカッコ良かったね。さすが白王子。」
「弟さんの彼女らしいよ。運ばれた人。」
「えー。てっきり白王子の彼女なのかと思った。手術前に『俺が絶対助けてやる』って言ったんだって。言われたいなぁ~」

「あなたたち。いつまで油を売ってるの?」

背後から看護師長である福田の声がして、一同飛び跳ねる。

「そんな話をしているヒマがあったら、包帯のひとつでも取り替えてきなさいっ」

蜘蛛の子を散らすように看護師達はナースステーションを後にした。

「あなたもですよ。祐介先生。待機医がいるのに勝手に執刀してっ。入れ込み過ぎは医療ミスのもとですよ。」

柱の影から祐介があたまをかきながらでてきた。

「ははは。福田さん、すみません。」

福田は笑顔と困惑の入り混じった表情をうかべ、ため息をついた。

「ま、いいわよ。祐介先生らしいし。疲れたでしょう?知り合いのカラダにメスを入れるのは精神的にも厳しいわよね。少しあの患者さんのところで休ませてもらったら?」

「福田さん、ありがとう。じゃぁお言葉に甘えて、休憩させてもらいます。何かあったら呼んで下さい。」

祐介は笑顔でナースステーションを後にした。

弥生の個室に入ると、ベッドの傍にある椅子に腰掛ける。
鎮痛剤を投与され眠っている弥生の頬に触れると、そのまま倒れこむように眠りについた。

ーーー君を助けられて、本当によかった…

祐介の口もとは、かすかにそう動いた。
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