淫猥病棟#番外編2~初恋2-砕け散ったマグカップ~
チャイムがなり、更衣室に戻るとちょうど涼介が着替えていた。上半身は裸のままで、制服のズボンだけはいていた。
「兄貴、遅かったね。そんなに大怪我だった?」
「ん?へへ。」
にやけた俺を見て、涼介が一歩引く。
「なんだよ、それ。気持ち悪りぃ。」
おれは体操着の上を脱ぎながら、ふふんと笑う。
「お子様の涼介クンには解らんよー。」
俺がからかうと、涼介がムキになって突っかかってきた。本当にお子様なヤツだぜ。
「なんだと?歳変わらねぇじゃんかっ」
「人生経験がちがうのだよ、経験が。」
俺は手のひらを上に向け、オーバーに肩をすくめる。
それを見て、涼介が言い放った。
「うるせー。ドーテーのくせにっ。」
俺はかあっと赤くなる。
「お前もだろっ」
その途端、涼介の顔が得意げな顔に変わる。まさか。
「俺は違うけど?ふ~ん。そうなんだぁ~。まだなんだぁ?夏休み、何やってたの?」
2人の兄弟喧嘩を見守っていた外野が、ざわざわする。
「おい、どっちが童貞なんだ?っていうか、どっちがヤってるんだ?涼介?祐介?黒羽っ、お前ならわかるだろ?」
クロがクラスメイトから質問攻めにあっている。
いや、クロ、言わなくていいから。俺の名誉の為に、言わなくていいから。
っていうか、クロは?みんなは?みんな夏休みに卒業してるのか?!
なんかヤブヘビになりそうな予感がして、聞けなかった。
俺のドーテー。真智子先生に奪ってほしいなぁ・・・
そんなことを思いながら、俺は慌てて服を着替えた。服を着ると、クラスメイトが俺を指差して声を揃えて言う。
「祐介だっ!」
ワイシャツの胸のポケットに刺繍されている「Y.Saeki」をしっかりチェックされた。しまった!
放課後、帰ろうとすると昇降口でクラスメイトの真子が腕を組んで俺を待ち構えていた。
クラスの中では一番目立つタイプの、ちょっと顔がいいのを鼻にかけている女だ。
俺の胸ポケットにある刺繍をちらっと確認してから、口をひらいた。
「祐介、ドーテーなんだって?」
少し笑いながらいきなり確信をつく話をしてきた。ムカツク。
俺は黙ってジロッと睨んで脇を通り過ぎた。
「私とセックスしない?」
下駄箱から靴を取り出そうとしてあた俺は、思わず靴をつかんだまま真子を見てしまった。
俺は精一杯の虚勢を張る。
「お前みたいな乳臭いガキには興味ないんだよ。」
真子はカッと顔を赤くすると、激昂した。
「なによっ。祐介のバカっ。頼まれたって相手してやらないんだからっ。」
こっちこそ願い下げだっつーの。
「祐介って、真智子先生のこと好きなんでしょ?!」
俺はびっくりして真子を見る。
「何言ってんだよ・・・」
驚きすぎて、否定する言葉もどこか弱々しい。
「見てればわかるわよっ。でも、お生憎様っ。真智子先生には婚約者がいて、来月には学校辞めるのよっ。」
・・・え?
「嘘を言うな。」
俺の雰囲気に真子が後ずさりする。
「う、嘘じゃないわよ・・・。確かめてごらんなさいよっ」
「嘘だっ。」
俺は弾かれたように走り出した。
真子の腕にぶつかり小さな悲鳴が聞こえたが、俺は振り返りもせず保健室に向かって走り出す。
嘘だっ。俺はそんな話聞いてないっ。
保健室のドアを勢いよく開けると、椅子に座っていた真智子先生が驚いて立ち上がった。
その時、ヒジで机の上にあったマグカップを落とす。
床に落ちたマグカップ。俺があの時麦茶を入れて貰ったマグカップは、無残に砕け散った。
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