淫猥病棟#95~アイシテル~
やがて食事が終わり、少し苦目のコーヒーを飲んでいると、なぜか祐介がソワソワし始めた。
祐介はコーヒーを一気に飲み干すと、意を決したように春奈に向き合う。
「春奈。昼は思わず言っちゃったけど、改めて、申し込む。」
祐介の真剣な表情に春奈は胸の高まりが止まらない。
「俺と、、、佐伯祐介と結婚してください。一生大切にすると約束する。お互い歳をとっても、仲良く手をつないでいるような、そんな夫婦になりたい。春奈とならなれるって思ってる。」
春奈は瞳に涙をいっぱいためながら、黙って祐介の話を聞いている。
祐介はポケットから小さな箱を取り出し春奈の左手をとると、そっとその薬指に箱の中身・・・指輪をはめた。
「春奈が迷ってるのはわかってる。でも、俺の真剣な気持ちもわかって。」
そう言って春奈の手をそのまま持ち上げ、キラキラと輝く石に上唇を、その下にある指に下唇を、両方同時にキスをした。
「正直、俺の人生の中にこんな場面があるなんて想像したことなかった。いや、想像できなかった。こういう気持ちになれたのは、春奈のおかげなんだ。」
春奈の手を包むように握ると、祐介は話を続ける。
「春奈・・・。愛してる。」
その瞬間、春奈は驚いた表情をみせたあと、すぐに目を細めた。
涙が頬を伝い、テーブルクロスにシミをつくる。
「祐介先生に、"愛してる"って言ってもらったの初めてです・・・。嬉しい・・・。」
そう言うとさらに涙が溢れ出した。
祐介はそんな春奈の様子に少し驚きながらも、優しく見つめている。
「初めて、だっけ?」
「そうですよっ。」
「とっくに言っていると思ってた。本当に?」
「そうですよっっ。」
祐介は慌てて立ち上がり、春奈を胸に抱く。
「・・・愛してる。」
「・・・」
「春奈。愛してる。」
そう言って祐介は春奈を強く抱きしめた。
春奈の想いは声にならず、溢れるその想いを込めて、祐介を抱きしめ返した。
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