妄想彼氏#24~どうして彼だけはだめなの?~
「遥・・・。家に、部屋に入っていなさい・・・。」
遥の母親ーーー真智子が声を震わせながらそう言ったが、遥はその場を動けずにいた。
ーーーなんでお母さんが祐介のこと、知ってるの?
2人の顔を見比べながら、遥は一つの可能性に思い当たる。
ーーーお母さん、結婚する前は保健の先生をやってたって言ってた。祐介の話に出てきた、初恋の人って・・・お母さん?!
「ま・・ちこせ・・・」
祐介が手を伸ばすと、真智子はビクッと体を震わせ一歩下がる。
その仕草に、祐介は戸惑い、そして傷ついた顔をする。
「どういうこと?なんで祐介くんが遥と?もしかして、私に対する復讐なの?こんなストーカーみたいな真似をしてっ。帰って!そして遥には2度と近づかないでっ。」
「お母さんっ!」
遥は真智子の腕を掴み揺するが、真智子はまったく気にせず祐介を恐怖に見開かれた目で見ている。
祐介は何か言いたげに口を開くが、結局何も言わず頭を深々と下げると、最後ににっこりと笑って帰って行った。
追いかけようとした遥を真智子が二の腕を掴んでその場に留める。
「お母さんっ!」
真智子は玄関のドアを開け、遥を押し込むと、自分も中に入り鍵を締め、そのままキッチンへと向かった。
玄関へ向かう前にセットしておいた電気ケトルが、カチンという音と共にスイッチが切れる。
真智子はマグカップにドリップタイプのコーヒーがあらかじめ入っている簡易的なフィルターをセットすると封を開けその上からお湯を注いだ。
遥が真智子を見ると、小刻みに手が震えている。
「遥もいる?」
真智子が青ざめた顔で笑顔を作りながら遥に聞くと、遥は黙って首を横に振った。
コーヒーをダイニングテーブルの上に起き、椅子に腰掛けると、真智子は深いため息をつく。
「私は遥の事を信じてるし、遥のする事は黙って見守ろうって、そう思ってる。でもね、遥。あの子。ううん。あの人だけはダメ。」
「・・・なんで?」
「歳が、離れすぎているし・・・。」
そう言って目を伏せながらコーヒーを一口口に含む。
「違う。お母さんは嘘をついてる。お母さん、祐介に酷いことしたんでしょ?そういう関係になったのに、祐介の前から姿を消したんでしょ?!」
遥の声が震えながらもだんだんと大きくなっていく。
「遥っ。・・・そう、祐介くん遥にそんか話をしたんだ。やっぱり恨んで遥に、私に近づいたんだ。」
「違う!」
「じゃあどうやって2人は知り合ったの?!」
真智子は息を荒げて遥に問いただす。
「ぐ、偶然・・・」
答えにくそうに遥が言い淀むと、真智子はそれみたこたか、という顔をして遥に言う。
「偶然を装って、近づいてきたのよ。遥、もう彼に近づいてはダメ。あなたはわからないかもしれないけど、あの人は危険なの。」
その瞬間、遥の中で何かが弾けた。
「わかっていないのはお母さんの方だっ!お母さんに酷い仕打ちを受けて傷ついたのは祐介の方だっ。祐介がその後どんな人生を送ったかも知らないでっ。祐介が今苦しんでるのは、元はと言えばお母さんのせいなのにっ。」
「遥っ。聞き分けてっ。あの人はダメなの。あの人の血は」
そこで真智子がハッとなる。
「血が、なんなの?」
黙ってしまった真智子に、遥がハッとなる。
「まさか、祐介が私のお父さん、なんてこと、ない、よねっ?」
パンッ
乾いた音がダイニングに響いた。
遥が頬を抑え、真智子を見る。
真智子は遥の頬を叩いてしまった自分に驚いて、手を見つめる。
「お母さんの、ばかっ」
遥は携帯を片手に、家を飛び出した。
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ーーーお母さん、結婚する前は保健の先生をやってたって言ってた。祐介の話に出てきた、初恋の人って・・・お母さん?!
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祐介が手を伸ばすと、真智子はビクッと体を震わせ一歩下がる。
その仕草に、祐介は戸惑い、そして傷ついた顔をする。
「どういうこと?なんで祐介くんが遥と?もしかして、私に対する復讐なの?こんなストーカーみたいな真似をしてっ。帰って!そして遥には2度と近づかないでっ。」
「お母さんっ!」
遥は真智子の腕を掴み揺するが、真智子はまったく気にせず祐介を恐怖に見開かれた目で見ている。
祐介は何か言いたげに口を開くが、結局何も言わず頭を深々と下げると、最後ににっこりと笑って帰って行った。
追いかけようとした遥を真智子が二の腕を掴んでその場に留める。
「お母さんっ!」
真智子は玄関のドアを開け、遥を押し込むと、自分も中に入り鍵を締め、そのままキッチンへと向かった。
玄関へ向かう前にセットしておいた電気ケトルが、カチンという音と共にスイッチが切れる。
真智子はマグカップにドリップタイプのコーヒーがあらかじめ入っている簡易的なフィルターをセットすると封を開けその上からお湯を注いだ。
遥が真智子を見ると、小刻みに手が震えている。
「遥もいる?」
真智子が青ざめた顔で笑顔を作りながら遥に聞くと、遥は黙って首を横に振った。
コーヒーをダイニングテーブルの上に起き、椅子に腰掛けると、真智子は深いため息をつく。
「私は遥の事を信じてるし、遥のする事は黙って見守ろうって、そう思ってる。でもね、遥。あの子。ううん。あの人だけはダメ。」
「・・・なんで?」
「歳が、離れすぎているし・・・。」
そう言って目を伏せながらコーヒーを一口口に含む。
「違う。お母さんは嘘をついてる。お母さん、祐介に酷いことしたんでしょ?そういう関係になったのに、祐介の前から姿を消したんでしょ?!」
遥の声が震えながらもだんだんと大きくなっていく。
「遥っ。・・・そう、祐介くん遥にそんか話をしたんだ。やっぱり恨んで遥に、私に近づいたんだ。」
「違う!」
「じゃあどうやって2人は知り合ったの?!」
真智子は息を荒げて遥に問いただす。
「ぐ、偶然・・・」
答えにくそうに遥が言い淀むと、真智子はそれみたこたか、という顔をして遥に言う。
「偶然を装って、近づいてきたのよ。遥、もう彼に近づいてはダメ。あなたはわからないかもしれないけど、あの人は危険なの。」
その瞬間、遥の中で何かが弾けた。
「わかっていないのはお母さんの方だっ!お母さんに酷い仕打ちを受けて傷ついたのは祐介の方だっ。祐介がその後どんな人生を送ったかも知らないでっ。祐介が今苦しんでるのは、元はと言えばお母さんのせいなのにっ。」
「遥っ。聞き分けてっ。あの人はダメなの。あの人の血は」
そこで真智子がハッとなる。
「血が、なんなの?」
黙ってしまった真智子に、遥がハッとなる。
「まさか、祐介が私のお父さん、なんてこと、ない、よねっ?」
パンッ
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