ハギレの絢#05~感じすぎる躯~
side 仁美
「すげ…。」
遠のく意識の中で、男性がそうつぶやくのがきこえた。
あぁ、この人も、か…。
だからもうやめてって言ったのに。
こうなるのがわかっていたから。
だからいやだったのに…。
そんなことを考えながら、私は意識を手放してしまった。
目が覚めると、私はベッドの上にまっすぐ寝かされていた。
横にあの男性はいない。
名前も知らない男性。彼の話では飲み屋で一緒だったようだったけど、正直記憶がない。
私、行きずりの男と寝るような女だったんだ。ちょっとびっくりした。
でも、正確には寝たことにならない、か。最後までしていないし。…また。
「はぁ~。私、なんでこんななんだろ…。」
ベッドの上で上体を起こし、ため息をつく。
「なに落ち込んでんの?」
突然ドアの方から男性の声がして、驚きながらそちらに顔を向けた。
男性がおたまを持ってドアから室内を覗いていた。
「…もういないかと思った。」
状況が飲み込めない私は、まるでいなくてさびしかったかのようなことを言ってしまった。そして数秒遅れてそのことにきがつき、あわてて訂正しようとする。
男性はベッドの上に膝をつき、私の顎をくいっと持ち上げるとキスをした。
あまりの自然な動きに、私は唇を許してしまった。
「そんなかわいいこと言われたら、またいじめたくなっちゃうよ?」
そう言ってペロリと唇を舐めた。
「違うっっ。そういう意味じゃなくってっ。その、ドン引きしてかえったかなっていう意味でっ。あ…。」
そこまで言って、ふたたび自分が墓穴を掘ったことに気がついて話を止める。不思議そうな男性の顔が近づき、ふたたび唇を重ねてきた。
柔らかい唇。
名前も知らない男性にキスされているのに、私はなんで拒まないんだろう。なんで、怒らないんだろう。
ゆっくりと唇が離れ、男性が柔らかい笑みを浮かべる。
「で、ドン引きって何?」
男性がそう聞いてきた。
私は観念して口を開いた。
「なるほど。ハジメテの時に盛大に潮吹いて、相手の男が"ドン引き"したわけね。萎えちゃってそのまま帰った、と。」
私は真っ赤になりながら首を縦に振る。
私はこの現象のせいで、怖くて男性と関係を持てないのだ。
だから年齢=ほぼ彼氏なし、なのだ。
だから私は…
「ヒトミちゃん、処女なんだ。」
驚くようなことをサラッと言われた。
「この歳にもなって処女とか、それもドン引きでしょ?!」
恥ずかしすぎて、それを誤魔化すようにわざと乱暴に言うと、男性がポンポンと頭を叩いた。
「ばかだなぁ…」
「ばか?!ばかとは何よっ。これでも私、気にして…」
「その男が。」
かぶせ気味にそう言った男性を、私は目を丸くして見つめた。
「男なら喜ぶトコだろ?それ。」
「そういう…もの…なの?」
男性はこくんと頷く。
「そっか…。じゃあヒトミちゃんは本当のオンナの悦びを知らないわけ、ね。もったいないなぁ。そんな感度のいいエッチな躯してるのに。」
そう言って私の身体を舐め回すようにみるものだから、かぁっと躯が熱くなる。
「感じすぎるのも…困るのよっ。」
私、何を言ってるんだろうっっ。恥ずかしいっっ。
真っ赤になる私とは反対に、男性は何か考え事をしているようで、真面目な顔になる。
「よし。」
男性は何かを思いついたようで、顔がパアッと明るくなった。そして私の顔を見ると、ニヤリと笑った。
「俺がゆっくりと慣らしてあげる。エッチなトレーニング、しよう。」
あまりの突拍子もない提案に、私は言葉も出なかった。
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