OOTC#02~インスピレーション2~
私はパソコンに向かった。
瀬名先輩は横に座って缶コーヒーを開けながらモニターを眺めている。
インスピレーション。このピンク色のローターは大人のオモチャを初めて使う人にまさにうってつけのアイテムで・・・
しばらくして、瀬名先輩が口を開く。
「お前さ、文章が全然"こない"。面白くもなんともない。買おうって気にまったくならない。」
私もそう思っていたけど、面と向かって言われると腹がたつ。
「お前さ、使ったことあるの?これ?」
「なっ。ないですっ。こんなの使ったことありませんっ」
ピキッ
先輩の顔が引きつる音が聞こえた気がした。
「お前な、また"こんなの"っていいやがったな。一度ならず二度までも…。」
言葉のアヤですってば、先輩っっ。
心の中でそう叫ぶが、先輩の迫力に言葉が出ない。手を前に出して、首を一生懸命横に振る。
「商品の説明っていうのは、その商品を愛する事からはじまるんだ。その愛情を文字にのせて、読み手に届けるんだっ。商品の良さがわからない、わかろうとしないお前にレビューを書く資格などないっ」
先輩のいう通りだった。
私は打ちひしがれる。
しばらく沈黙が流れた後、先に口を開いたのは瀬名先輩だった。
「よし。お前、今からこれを使ってみろ。」
「はぁ?!」
「そしてその良さを文章にしてみろ!」
「むちゃくちゃですっ」
「なんでだ?お前、これを使ったことないんだろう?」
「はい…」
「この商品の良さがわからないんだろう?」
「はい…」
「じゃあ使うしかないじゃないか!」
「そんなめちゃくちゃな三段論法がありますかっ。」
「使い方教えてやるからさ、使ってみろよ。」
「そ、そんなっ」
そう言ってから先輩の顔を見ると、至って真面目な顔をしていた。
「業務の一環だ。教育係としてお前を指導する必要があると思っただけだ。どうする?ひとりで大丈夫なら俺は席を外すぞ?」
「・・・。」
先輩の目があまりに真剣だったから、私はついお願いしますと言ってしまった。
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