淫靡な研究室#番外編２～弥生のご褒美－前編#01～

　
　
開口1番、麗香さんが言った。

「おめでとう、弥生。あなたが1番よ。」

「はい？」

私は麗香さんの言っている意味がわからず、思わずキョトンと麗香さんを見た。

「まぬかんキャラ総選挙の結果よ。ダブルスコアで負けたわ。」

「そんなのやっていたんですか？知りませんでした。」

麗香さんが肩をすくめる。

「無欲の勝利ね。弥生らしいわ。」

よくわからないけど、なんとなく、嬉しい？かな？？

「というわけで、これはお祝いよ。いただいたチケットだけれど、佐伯くんと２人で楽しんでいらっしゃいな。」

そう言って封筒を手渡された。

中を覗くと、特急電車のチケットと箱根の老舗旅館の宿泊チケットが入っていた。

「いいんですか？！」

「もちろんよ。最近佐伯くんが忙しくって、弥生がかまってもらえていないんじゃないかって心配してるのよ。」

あはは、と、私は笑った。

麗香さんはほんとに鋭い。

先生は今、理事長へ就任するための手続きやら挨拶まわりやらで、寝る暇もないぐらい飛び回っている。

でも、きっと会いに行けばちゃんとかまってくれるんだと思うのだけれど、ただでさえ忙しいのに、気をつかってもらうのも申し訳なくて、最近あまり会ってはいない。

ほら、会えば先生はえっちだから、余計な体力を使わせちゃうかもしれないし…。

「弥生？顔が赤いわよ？ヨクジョウしてるの？」

麗香さんがクスクス笑いながらからかうように言う。

「もう、麗香さんっ。意地悪いわないでくださいっ。もう大丈夫ですっ」

どうしよう。

私はほんの少しだけ封筒を眺めて、麗香さんに返した。

「ありがとうございます。気持ちだけ受け取っておきます。」

「弥生？」

「麗香さん、谷田部さんとは、じゃない、ダンナ様とは仲良くやってるんですか？」

私は笑いながら話を変えた。

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