淫靡な研究室#番外編２～弥生のご褒美－前編#02～

　
　
翌朝。

ピンポーンとインターフォンが鳴る。

また香苗が寝坊をして修一くんがむかえにきたのかしら？

眠い目をこすりながら、カーディガンを羽織り玄関のドアを開ける。

そこに立っていたのは・・・

「そんな格好で、いきなりドアを開けて・・・。不用心にも程がありますよ。」

先生だった。

まだ夢を見ているのかと思い、ほっぺたをつねる。

「出かけますよ。下にタクシーをまたせてあるので、すぐ身支度を済ませて降りてきてください？」

「は、はい。」

「５分！」

「えっ。シャワー浴びたいし、お化粧もしたいですっ」

「弥生はそのままでじゅうぶん綺麗ですよ。なんなら服装もそのままでいいぐらいですが、他の男には見せたくありませんので、もう少し布地の多い格好をしてきてください。」

「え？あっ。きゃっ」

先生はニヤニヤしながら、じゃあ下で、と言ってドアを閉めた。

キャミソールにホットパンツ。いつもの定番の格好のままで出てしまった。前回と違うところは、無意識にカーディガンを羽織ったところ。

うん。私、少しは成長してる・・・かもしれない。


私は慌てて着替え、髪にブラシを入れると急いで先生の元へと向かった。


タクシーに乗り込むと、先生は運転手に向かってだしてくれ、といった。

あっ。

私がシートに置いた手をとり、指と指を交差させ握りこむと、先生はシートに身を預け寝てしまった。

でも、そのつながっている手が嬉しくって、私は思わずにやけてしまいそうになった。

しかし先生の寝顔を見て、ちょっと申し訳なく思った。

先生、ちょっと痩せた？お仕事忙しいんだろうな・・・・・。今日のこれってたぶん・・・・・




「・・・さんっ。お客さんっ。着きましたよっ。時間があまりありませんよっ。」

２人とも寝入ってしまったようで、慌てて起き上がる。

先にお金を払っていたようで、先生に急かされてタクシーを降りる。

「弥生っ。走るよっ」

先生は眼鏡を外し胸ポケットに挿すと、私の手をとり駆け出した。

新宿駅の構内を先生に手を引かれるまま走る。

平日の通勤通学のラッシュが終わった時間帯だが、それでも結構な人であふれかえっている。

…って、あっ。学校っっ！

って、まあいいか。

先生に手を引かれている事が嬉しくて、些細な事は気にならなくなる。

「はぁっ。間に合った。」

先生はホームにすでに停車中の特急電車に駆け込むと私を窓際の席へ座らせた後、自身も席に座り大きく息をついた。

平日の中途半端な時間帯のためか、車内はガラガラだった。

私たちをまっていたかのように、電車が走り始めた。

「さすがに最近ちょっと運動不足で・・・」

先生は少し疲れた顔で微笑む。

「先生。寝ていてください。」

先生は私の顔をじっと見た後、ため息をついた。

「また、"先生"に戻ってますよ？」

「あっ。」

大学では先生と呼んでいるが、２人でいる時は名前で呼ぶように言われていた事を思い出す。

「お仕置きが必要ですね。」

そう言ってニヤリと笑った。

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