淫猥病棟#60~鈍感男~
「長い。」
風呂から上がった春奈と愛が部屋に入ると、祐介が開口一番そう言った。
「長いから、酒飲み始めたっ。春奈、今日はクロんちで飲み明かそう!」
テーブルの上には簡単なつまみと、ビールやチューハイなどの空いている缶が散乱していた。
「え?明日日勤だから帰りますよっ。っていうか、お二人もですよね?」
春奈は驚いたが祐介は笑っている。
ビールの缶をこめかみにつけ笑いながらながら、黒羽が口を開いた。
「こっからの方が病院に近いよ。泊まっていけよ。ほら、部屋着っ」
そういって服類を春奈に投げる。
「もう。酔っ払い。しょうがないから介抱してあげますっ。奥の部屋借りますね。愛ちゃん、お部屋まで一緒にいこっか。」
そういって愛を連れ立って奥への部屋へと入っていった。健太はすでに自分の部屋で寝ていた。
春奈が奥に行ったのを確認すると、祐介が立ち上がった。
「さて、俺は帰るかな。飲みすぎたし夜風に当たりながら帰るよ。車は明日取りにくるから。」
黒羽は驚いて祐介の腕をつかむ。
「何言ってんだ?!いっただろ?選ぶのは葛西だ。小細工するな。それに・・・」
「それに?なんだよ?」
「それに・・・。お前が帰ったって知った時の葛西の悲しそうな顔は見たくない。」
祐介は驚いて黒羽を見た。
黒羽は目を背けている。
「なんだ?それ?」
祐介は聞くが黒羽は答えない。
---俺は葛西のクチから直接聞いてるんだよっ。お前が好きだってな。お前がわかってないだけなんだよっ。
「鈍感男。」
黒羽のクチからボソッと言葉がついて出た。
「はぁ?」
「いいから、座れ。」
黒羽は強引に腕をひっぱり、祐介を座らせた。
「まあ、飲めよ。」
黒羽は祐介に酒をすすめる。
しょうがないといった顔で、祐介は酒を受け取る。
「そういえば、健太とドライブに行くって約束したんだ。フェラーリ乗りたいんだってさ。」
祐介が話題を振る。
「そうなのか?ありがとな。あいつもずいぶんと男の子らしいこと言うようになったんだな。」
「で、いつどこに行く?」
祐介が笑いながら言う。
黒羽は考えると頬杖をつきながら答え始めた。
「そうだなぁ、この時期だから海かな。あと温泉もいいなぁ…」
祐介は目を丸くした。
「お前、温泉好きだったのか?」
「日本人なら嫌いな奴いないだろ?前にまだひとり暮らししていた頃、バイクに乗って温泉入って帰ってきたりしてたんだ。懐かしいなぁ。」
目を細めて笑う黒羽を祐介はニヤニヤ見ていた。
その視線に気がついた黒羽が照れながら祐介に抗議する。
「なんだよっ。ニヤニヤして気持ち悪いなっ」
祐介はニヤニヤを止める事なく、黒羽に言った。
「いつもチビたちにご飯を作ってる主婦をねぎらうか。黒羽、チビたちと春奈誘って海と温泉に行こう。海と温泉で一泊っていったら、伊豆かな?」
「え?」
「夜は海の幸で上げ膳据え膳だ。」
「旅行なんて・・・。いつぶりだ?」
黒羽が顔を真っ赤にしている。
「クロ、顔を真っ赤にして眉毛寄せて肩震わせて笑いをこらえんなよ。ちょっとおまえ、かわいいぞ。」
「っ」
クチを押さえた手を離すとくちが勝手に笑ってしまいそうで、手を離せず反論ができない。
「あれ?透さんずいぶんと呑んだんですね。顔真っ赤ですよ?」
部屋に入ってきた春奈が驚いていた。
祐介が腹を抱えて笑い出す。
その後、三人は旅行の計画を立てた。
- 関連記事
-
- 淫猥病棟#62~バツ×キス~
- 淫猥病棟#61~早朝のファミレスで~
- 淫猥病棟#60~鈍感男~
- 淫猥病棟#59~視線の行方~
- 淫猥病棟#58~お子様ランチ~
←お礼ページ始めました♪
FC2ブログランキングに参加しています よかったら「つん」ってしてね♪ |
にほんブログ村ランキング(愛欲小説)にも参加 しています。押してもらえると小躍りします♪♪ |
人気ブログランキング(官能小説)に復帰でき ました♪押してもらえると跳ねて喜びます♪♪ |
官能小説.comのランキングに参加してみました♪ よかったらこちらもクリックしてみてください♪♪ |
官能文書わーるどのランキングに参加してみました♪ よかったらこちらもクリックしてみてください♪♪ |
いつも応援してくださってありがとうございます!!みんな優しくって大好きですっ
ささやかなお願い:
当ブログには「inポイントを稼ぐための騙しリンク」や「PVを稼ぐための意味の無い大量の空白行」はありません。
皆さんの愛(クリックや閲覧)だけで成り立っています。もし「しょうがねぇな、少しは応援してやるか」という気持ちになられましたら、バンバンクリックしていただけると泣いて喜びます。
当ブログには「inポイントを稼ぐための騙しリンク」や「PVを稼ぐための意味の無い大量の空白行」はありません。
皆さんの愛(クリックや閲覧)だけで成り立っています。もし「しょうがねぇな、少しは応援してやるか」という気持ちになられましたら、バンバンクリックしていただけると泣いて喜びます。