俺様王子とヒミツの契約#07
「好きに飲んで。さて、話を聞きましょうか。まず、どうやって入ったの?」
教育係風の男がクチを開く。
「それはわたくしが窓からはいりました。幸いにも鍵がかかっておりませんでしたので、割らずにすみました。しかし不用心ですので、今後はお気をつけください。」
数秒空白の時間が流れ、まりあはクチを開く。
「ここ、何階だと思ってるの?50階建ての35階よ?上からも下からも無理よ。つくのならもう少しまともな嘘をつきなさいよ。」
教育係風の男はふう、とため息をついた。いかにも小馬鹿にしたようなため息のつきかただった。
「そう言われましても、わたくしは空を飛べます故…。」
「ふーん。じゃあ今飛んで見なさいよ。」
「今は無理でございます。」
「なんでよ。」
「月が隠れてしまっています。浮力が足りません。」
「ふーん。」
まりあは白けた目で男を見た。
「で、あなた達は何者?」
一同は顔を見合わせ頷き合うと、やはり教育係風の男がクチを開いた。
「本来ならば人間に素姓を明かすようなことはしないのですが、我らがマスターの主人となられたまりあ様にはお話いたします。」
---?マスター?主人?人間?
「そこにおられるお方は、魔界を統べるお方の第2王子であらせられます。」
---はい?
「我々は王子に仕える従者でございます。わたくしは教育係兼目付役のアル、そちらの大男は世話係兼ボディガードのイル、そちらの男は体力面担当兼遊び相手のウルでございます。」
「アル、イル、ウル?なんか単調な名前ね。」
言ってから失言だったとまりあは気がついたが、言われた方は特に気にもとめていないようだった。
「三人とも王子に名付けていただきました。」
「…さっきの、隷属の儀とかいうやつ?」
「それに近いものがありますが、別の儀式です。しかし主従関係にあることはかわりがありません。」
---あー。なんか頭が痛くなってきた…。もうこの痛いハナシには付き合いきれないわ。
「本気でそんな話を信じると思っているの?いくら私が雑誌の編集長だからって、手あたり次第話を持ってくればいいってものじゃないわよ。雑誌を選びなさいよ。」
うんざりした顔で言うと、ウルがアルに話しかける。
「へんしゅーちよーってなんだ?食いもんか?」
アルは目の端でウルを嗜めると、まりあの方に向き直った。
「信じていただけないのでしょうか?」
少し上目遣いでまりあをみる。片眼鏡がキラッと光る。
「私は…。そんな話を信じるほどピュアじゃないわ。」
アルは小さくため息をつくと、ウルに向かって何か指示を出す。
「えー。あれやるとおなか空くからイヤなんだけど…。」
そう言って駄々をこねるウルを何かで言い含めると、ウルはすっくと立ち上がった。
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