淫猥病棟#80~鼓動~
---俺、完全に抑えがきかなくなってるな…。
春奈の口に舌を滑り込ませながら、黒羽はそんなことを考えていた。
唇を離すと、春奈が顔を赤くしながら文句を言う。ただし本気で怒っているわけではないのだが。
「透さん、今日の透さんなんだかいつもと違いますっ。強引んっ…」
まるでうるさい口を塞いでしまえと言わんばかりに、再び唇を奪う。
そしてゆっくり唇を離すと、春奈の目を見つめながら微笑む。
「こういう俺は嫌いか?」
思いがけない黒羽の言葉に、春奈がいっそう赤くなる。
「き…らいじゃ…ないです…。」
下を向き、声を絞り出す。
---今日の透さん、いつもと違って押しが強くって、ドキドキしちゃう。どうしよう。胸が、胸が苦しい。
無意識に胸に手をあてた春奈を見て、黒羽はふっと笑う。
胸にあてた春奈の手をそっと握り手のひらに唇を落とすと、そのまま前に屈み、春奈の胸に耳をあてる。
腕をそっと腰に回す。
「葛西、心臓が激しく鼓動してるよ。俺の事、意識してるのか?」
---そうに決まってるじゃないですかっ
しかし春奈はそれさえも言葉にできないぐらい心臓が高鳴っている。
「葛西、風呂は?」
いきなり聞かれて驚いた春奈は、声が思わず上ずってしまった。
「あっ愛ちゃんとっ。」
そんな春奈を見ながら、黒羽は艶やかに微笑む。
「俺、シャワー浴びてくるから、俺の部屋で待ってて。」
春奈の心臓がまるでとどめをさすかのように大きくドクンと脈打った。
黒羽は春奈に軽くキスをすると立ち上がり風呂場へと向かった。
春奈は呆然と黒羽の後姿を見送る。
---透さん。熱を出したときの色っぽい透さんにびっくりしたことがあったけど、実はそっちの方が素の透さんだったんですか??
1、2回深呼吸をして春奈も立ち上がり、黒羽の部屋へと向かった。
「ここだっけかな?」
重い扉を開け、中に入る。
正面には机があり、パソコンが乗っている。机の上には付箋がびっちり貼られた医学書が数冊置かれていた。
影際にある本棚にも医学書がびっちりと詰まって並んでいる。
「すごい…。」
その中にメンタルケアの本が数冊混ざっているのに気がついた。
---もしかして・・・
春奈はその一冊を手に取り、付箋がついているページをひらく。
そこには言葉を失った患者に対する事例が載っていた。
---あぁ、やっぱり。透さん、わたしの為に…。私の一番ダメだった時期も知っていて、それでも私のことが好きだっていってくれちゃうんですか?私のダメな部分もすべて包み込んでくれちゃうんですか?。透さん…。
春奈は本を閉じ、胸に抱えるようにして抱きしめた。
黒羽の、自分への想いを感じながら。
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