妄想彼氏#08~怖い考え~
「止めてくれ。」
歩道に跪く遥の横に、一台の車が止まる。そこから達也が降りてきた。
「遥?なにやってんだ?そんなところ・・・で・・・。」
遥の顔が真っ青な事に気がつくと、遥の腕を掴みそのまま抱き上げる。
車のシートに下ろすとペットボトルの水を遥の膝にかける。
「痛っ。」
「ちょっと我慢しろ。」
転倒した時に傷つけた膝小僧を綺麗に洗うと、絆創膏をはった。
「で、どうした?」
遥は達也の腕のシャツを掴みながら小刻みに震えている。
「恵が・・・。友達が今救急車で運ばれて・・・。」
達也はおもむろに携帯を取り出し、何処かに電話をかけはじめた。
「今渋谷駅から搬送されている患者の収容先を知りたい。あぁ。そうだ。頼む。」
電話を切り、達也は遥の肩を抱く。
「大丈夫だ。大丈夫。」
遥にそう言い聞かせるように繰り返す。
しばらくして達也の携帯に着信が入る。
「あぁ。そうか。わかった。ありがとう。」
そう言って電話を切った後、運転手に向かって口を開く。
「中央病院に向かってくれ。」
かしこまりました、と短く運転手の声が聞こえて車が走り出す。
病院に向かっている間、遥は達也の腕にすがりつくように掴みながら小刻みに震える。
「もしかして・・・。ごっこの相手かも・・・。そうだとしたら。私、私っ。」
「落ち着け。遥。」
「でもっ。」
達也は遥の頭をぐいと引き寄せ胸にあてる。
ーーー達也・・・。・・・なんか、落ち着く・・・。
達也はそんな遥の頭を撫で続けていた。
病院につくと恵は手術中という事で、応接室に通された。
達也は案内した事務員に礼を言うと、遥にとりあえず座るように、と、ソファをすすめた。
「援交相手らしいね。刺した男。」
遥はビクッと身体を震わす。
そんな遥を見て、達也はフゥっと息を漏らす。
「ごっこの相手じゃなくてよかったね、とは言わないけど。わかるね?」
こくっと遥は小さくうなづいた。
そんな遥の頭を、達也が大きな手で覆うように撫でる。
遥は小さな子供のように大人しく撫でられている。
「遥は一緒にいなかったの?」
達也が遥の隣に座り、遥の顔を覗き込むように聞く。
「うん・・・。ごっこに誘われたけど、断った・・・。達也の止める声が聞こえて・・・。」
達也はふわっと柔らかい笑顔を作ると、遥のおでこにキスをした。
突然のことで何が起こったかわからない遥だったが、ひたいに触れたのが柔らかい唇だとわかって真っ赤になる。
「!!!!」
「元気でたな。よし。病室に行こう。そろそろ処置が終わって運ばれているはずだ。急所は外れていて命に別条はないらしいって。よかったな。」
その言葉に遥の目からボロボロと涙がこぼれる。
「う・・・・。」
嗚咽が漏れ、堰を切ったかのように泣きはじめた。
最初は驚いた達也も、遥を引き寄せ両腕で抱きしめる。
「怖かったっ。怖かったのっ。」
そう何度も繰り返し、達也の腕の中で泣き続けた。
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遥の顔が真っ青な事に気がつくと、遥の腕を掴みそのまま抱き上げる。
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「痛っ。」
「ちょっと我慢しろ。」
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「で、どうした?」
遥は達也の腕のシャツを掴みながら小刻みに震えている。
「恵が・・・。友達が今救急車で運ばれて・・・。」
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「今渋谷駅から搬送されている患者の収容先を知りたい。あぁ。そうだ。頼む。」
電話を切り、達也は遥の肩を抱く。
「大丈夫だ。大丈夫。」
遥にそう言い聞かせるように繰り返す。
しばらくして達也の携帯に着信が入る。
「あぁ。そうか。わかった。ありがとう。」
そう言って電話を切った後、運転手に向かって口を開く。
「中央病院に向かってくれ。」
かしこまりました、と短く運転手の声が聞こえて車が走り出す。
病院に向かっている間、遥は達也の腕にすがりつくように掴みながら小刻みに震える。
「もしかして・・・。ごっこの相手かも・・・。そうだとしたら。私、私っ。」
「落ち着け。遥。」
「でもっ。」
達也は遥の頭をぐいと引き寄せ胸にあてる。
ーーー達也・・・。・・・なんか、落ち着く・・・。
達也はそんな遥の頭を撫で続けていた。
病院につくと恵は手術中という事で、応接室に通された。
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「援交相手らしいね。刺した男。」
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「ごっこの相手じゃなくてよかったね、とは言わないけど。わかるね?」
こくっと遥は小さくうなづいた。
そんな遥の頭を、達也が大きな手で覆うように撫でる。
遥は小さな子供のように大人しく撫でられている。
「遥は一緒にいなかったの?」
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「うん・・・。ごっこに誘われたけど、断った・・・。達也の止める声が聞こえて・・・。」
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「!!!!」
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