妄想彼氏#36~特異体質×特異体質~
祐介と遥は二人ならんで駅の改札口へと戻る。
改札口近くのベンチに座っていた春奈が立ち上がり、2人に手を振る。
「車をすこし離れたところにとめているのでこちらに寄せますね。ここで待っていてください。」
そう言って春奈が駅舎から出て行った。
春奈が座っていたプラスチック製のベンチに腰掛けようと、背もたれの部分に祐介が手をかける。
「痛っ」
祐介が手を離すと、指先が切れ、鮮やかな血が流れていた。
「あー。ベンチが割れてたんだな。ぱっくりいっち・・・」
遥は考えるより先に体が動いた。
血の滴り落ちる祐介の指先を、口に含んだのだ。
「ばっ。遥っ。やめろっ。」
祐介が青ざめながら指を引く。
「医務室!祐介、医務室に行こう!」
すっくと立ち上がり、辺りをキョロキョロとする。
そこに車を近くに寄せた春奈が入ってきた。
「ハルナさん!祐介が怪我を!」
春奈は遥の口の端に血が着いているのをみて、ハッとなり祐介を見る。
祐介は小さく頷く。
「すぐそこの医務室へ運びましょう。遥さん、手伝って。」
「はいっ!」
遥は祐介の荷物を持ち、2人の後に続く。
祐介は遥から目を離さない。どんな小さな変化も見逃さないでおこう、そう思い遥を目で追っている。
医務室で治療し、春奈の車に乗り込み黒羽の待つ病院へと向かう。
「遥。体・・・。なんともないのか?」
後部座席に乗っている祐介は、隣に座っている遥に声をかけた。
「なんで?全然なんともないよ?あー。例の特異体質ってやつ?なんでだろう。私、鈍感なのかもね。」
あっけらかんと言う遥に、祐介は戸惑いを隠せない。
それとは対照的に遥はケラケラと笑いながら話す。
「特異体質の血を受け付けない特異体質なのかも。らっきー、かな?。」
遥につられて笑顔になりかけ、引きつった顔の祐介がクビを捻る。
「そんなことって、あるのか?」
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