ショコラティエ#02
翌日--------
「由緒(ゆい)っ。由緒ってばっ。」
同じ総務部の清美先輩が声をかけているのにようやく気がついた私は、あわてて返事をした。
「すみませんでしたっ。なんでしょう??」
取り繕うように御用聞きをする私に、清美先輩が呆れ顔で笑う。
「今日、また会長がいらしてるんですって。で、いつものように由緒の入れたお茶が飲みたいって言っているらしいよ。さっき秘書室から連絡があった。」
「あ、じゃぁお茶を煎れにいってきます~」
「由緒も大変なのに気に入られちゃって、大変ねぇ。粗相がないように気をつけるのよー。あの人が現役の頃は、失敗した人間は情け容赦なく切り捨てたっていう噂よ~。ほんと、気をつけるのよーっ」
そういって笑って送り出してくれた。
先輩。ごめんなさい。先輩に内緒にしていることがあります。
お茶を煎れ、応接室のドアをノックする。
中から「どうぞ」という年配の女性の声がする。
「失礼しまーす。」
元気良く部屋に入る私をいきなり年配の女性が抱きしめる。
「由緒ちゃーんっ。大きくなって~」
「会長っ。お茶がこぼれますっ。」
私はお盆の上で床にダイブしそうになっている茶碗のバランスを必死でとる。
「いやん、会長だなんて。おばさまって呼んで~っ」
「はいはい。おばさま。前回あってから3週間しかたっていませんよ。大きさ、かわりませんからっ。で、今日はなんのご用事ですか?」
この人は亡くなった私の母の大親友で、この会社の会長をしている。
私がこの会社に入ったのはまったくの偶然だったんだけど、これは母がふたりを引き合わせたんだと言って、おばさまは聞かない。
「ちょっとこれからデートでね。近くまで来たから由緒ちゃんの顔を見に寄ってみたの。」
「おばさま、私にも仕事ってものがあるんですから・・・・・って、こ、これは?」
私はテーブルの上においてある化粧箱の中身に釘付けになり目が離せない。
「あ、それね。今日これから会う彼氏がね、くれたのよ。由緒ちゃん甘い物好きでしょ?だから持ってきたの。すごく美味しいのよ。」
箱の中には、艶やかに虹色にひかるバラの形をしたチョコレートが整然といくつも並んでいた。
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