ショコラティエ#04
・・・おなか空いた。
ごはんでも食べて帰ろう。
寒くってお腹がすいていると、かなしい気持ちになってくる。
暖かいお店に入って、美味しいものを食べよう。
自分への特別なご褒美だ。すこし奮発しよう。
昨日も自分にご褒美をあげた気がするんだけど、細かいことは気にしない~。
時間が少し早かったこともあって、名店と呼ばれるそのお店は空いていた。美味しいイタリア料理をたべさせてくれるお店だ。
オヒトリサマだったのでオープンキッチンに面しているカウンターに案内される。
今日のオススメの一品「スカンピのリングイネ」をほっぺたが落ちそうになるのを堪えながら完食し、食後のエスプレッソをいただいているとき、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。
・・・おばさまの声だ!
私ってば目の前の料理に夢中で、おばさまがいることにまったく気がつかなかった。くいしんぼうすぎる。
「そんなわけで、今日このあと成田に向かわなくちゃいけないのよ。壮琉(たける)と一週間も会えないなんて寂しすぎるわ・・・」
御歳60近いおばさまのオンナを感じさせる声に、私はわけもなくドキドキする。
聞いてはいけないものを聞いてしまった気になる。
おばさまは美魔女と呼ばれる部類の人で、おそらく40代といっても通るような美貌の持ち主だ。
カウンターは厨房に面しているので明るいが、店内は薄暗い。顔はあまりみえないが、相手の男性は40前に見える。でも、なんとなくホストっぽいというか、そんなオーラを感じる。
その男性はおばさまの手をとると、その甲に唇をおとした。
「僕もさびしいよ。光子に1週間も会えないなんて。このまま君をさらってどこかに閉じ込めてしまいたくなる。」
うーわー。なにこの男。背中が痒くなるっ。ぜったいホストだっ。
って、おばさま。なんでそんなとろんとした表情してるの?騙されてるってばっ。
目が暗がりに慣れてきて、だんだんと二人の姿が見えてきた。
「壮琉。1週間待っていてくれる?」
「もちろんだよ。いいこにして、待ってるよ。だから早く帰ってきて。僕のところに。」
人目もはばからず、2人のシルエットが重なる。
見ているこちらがはずかしくなって、目を背けてしまう。
「あぁ、もう時間だわ。壮琉。日本に戻ったら連絡するわね。」
おばさまは名残惜しそうに立ち上がる。
その壮琉と呼ばれた男性は、立ち上がるおばさまの手をひき、しゃがませると、後頭部をぐっと引き寄せ濃厚なキスをする。
うーわーっ。なに、それ??
「もう、壮琉。お化粧がくずれるわ。」
そういって照れ臭そうに笑い、おばさまは店を出て行った。
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