ショコラティエ#07
翌日の夜、私はあのお店「ショコラ」に来ていた。
おばさまに近づくな、と言い忘れたためだった。
決してもう一度東さんに会いたいわけじゃない。
店に入ると、東さんが私を見て一瞬驚いた顔をした後、いつもの笑顔になった。
「いらっしゃいませ。今月は早いお越しですね。」
私はその笑顔につられてにへらっと笑ってしまったが、すぐに顔の筋肉を引き締めた。
「お客様、ご依頼の品をただいまご用意しますので、どうぞあちらの別室でお待ちいただけますか?」
そういって、店の奥にあるドアを開け、私を中に押し込むと、ドアを閉め店に戻って行った。
どういうつもり?
まーいいわ。ガツンと言ってやるんだから。
そう思い、部屋の中央にあるソファーへと腰を下ろす。
しばらくしてドアが開き、東さんが部屋へと入ってくる。
長めの黒いサロンエプロンを外し、シャツの胸元のボタンを少し外し、前髪に指を入れ、後ろへと流す。
その一連の色っぽい動作に目が奪われる。
その私のマヌケな顔を意識するように、アゴから頬にかけて手で覆い、妖艶な笑みを浮かべて私に視線を流す。
そして私の正面に立ち、座面に膝をつくと、私のあごを食いっと持ち上げ顔を近づける。
「口止め料が、足りなかったか?」
そういって私にキスをしようとしたので、横にあったクッションであわてて防御する。
「違う!今日は忠告しに来たの!!」
ギシっとソファーが音をたてる。東さんがだんだん私に近づいてくる。
「忠告?何に?」
「昨日、おばさまとあっていたでしょう?光子おばさま!」
おばさまの名前をだした途端、東さんの目が丸くなる。
そしてははっと笑うと身を翻し、私の横に座った。
額に手をあて、顔を上にあげて笑っている。
「何がおかしいのよ!!」
「あんたがあのおばさんの関係者だったとはなっ。油断してた。あんた、あんな金持ちが知り合いにいるような顔には見えなかったから。」
ちょっと、なにげに失礼なんですけど。
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