年下彼氏#03
注がれるワイン。
ゆらゆらと揺れるそのきれいな深い赤い色の液体。
その液体が喉を通り私の五臓六腑に染み渡る。
あたたかい太陽の光を全身に浴びているような、やわらかい土の上を素足であるいているような、そんな心地良さが私を包む。
カウンターの少し背の高い椅子に座っている私は、ゆらーりゆらーりと揺れているようで、その腰を抱くようにむっくんが支える。
「むっくん。おかわり。」
「ああ、もう、水飲みなよ。って、むっくんて誰?」
笑いながら水の入ったグラスを私に持たせると、聞いてきた。
「ちみだよ、ちみ。無銭飲食男だからむっくん。きみはむっくんだー。」
「ひどいなぁ。あれは作戦だっていったじゃんか。ちゃんと直樹って呼んでよ。」
「直樹って誰?」
「この流れでいったら、どう考えても俺でしょ?」
「・・・むっくんの方がかわいい・・・・。」
むっくんはしょうがないなぁという表情を浮かべながら、私の唇をすっと人差し指で撫でる。
「ワイン飲んで、唇がさらにエロくなってる。ね、名前、教えてよ。」
私は逡巡したあと、下の名前だけだったら別にいいか、という結論に至った。
「千賀子。数字の千に賀正の賀。」
「へぇ。なんかものすごくおめでたい名前だね。」
そういって頬を包むように手をおき、親指で唇を2度3度と撫で回した。
「千賀子。」
そういって人目もはばからず、私の顔を覗き込むようにして唇を落とす。
ゆっくり離れていくむっくんの瞳から目が離せない。熱く、まっすぐ、私を見つめるその目から。
「千賀子。お店、出ようか。」
きゅぅんと私の躯の奥が熱くなる。
何を言ってるんだろう、この男は。
何をしているんだろう、この私は。
むっくんがそのままカウンターで会計を済ませ、私の手を引く。
足元が少しおぼつかなくなっている私の肩を抱くように、私を支える。
店を出て、ビルを出て。裏手にまわり路地裏に入る。 独特のネオン看板のあるホテルの入り口をくぐる。
たくさんの部屋の写真が並ぶその中から、ひとつを選びボタンを押すと、むっくんがフロントにいく。
その後ろ姿を私はぼ~っと眺めている。
カードキーを受け取ったむっくんが私の背中に手を添え、エレベーターへとエスコートする。
エレベーターの中では2人とも無言だった。息をする音さえもたてるのをためらう程、静かだった。
エレベーターのモーターの音が緩やかになり、やがてチンといって止まりドアが開く。
一瞬だけ歩を進めることを躊躇した私の手を掴み、廊下をまがった先のドアについている機械にカードを通すと、ドアを開け、私を中に入れる。
そして自分も続いて室内に入ると、ドアが閉まるのも待たず、私を壁に押し付け、唇を奪った。
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