蛇の涙#08~道具の意思~
第一関節まで挿し込んだ指が、円を描くように回される。
内壁を押し広げるように1周、2周と続けた後、ぬぷっと指の根本まで一気に挿し込んだ。
「はぁぁんっ」
桃子の躯が波打つようにうねり、リョウの腕の中で脱力する。
小刻みに指を動かすたび、溢れ出た蜜が出口を求めて指を伝い落ちる。
「気持ちいいんだ。」
「そ・・・なこと・・な・・・っ」
固く目をつぶり、リョウの指の動きに惑わされないよう心を強く持とう。そう思う桃子の気持ちとは裏腹に、時折大きく動かされる指が与える快楽に躯は過敏に反応してしまう。
———そろそろか?
リョウは桃子の反応を確かめながら、耳元で囁いた。
「桃子。俺が欲しいって、言え。」
桃子は首を左右に振る。
「強情な女だな。」
リョウはそう言うと、桃子を肩に担ぎ上げ、靴を脱ぐと廊下をズカズカと歩く。
肩の上で桃子が暴れるのを腕で抑える。
何個目かのドアを開けると、おもむろに中へと入る。そこは客間でカバーのかかっている使われていないベッドがあった。
リョウはそこに桃子を下ろすと、スカートを捲り上げ下着を剥ぎ取った。
「いやっ。」
太ももを下から持ち上げ、脚を開かせると、その中央に舌を落とす。
「はぁっ。あぁっ。」
———またこの感覚っ。リョウの舌が触れるたび、私の躯がザワザワする。何なの?!怖いっ。
リョウの舌が奥へと挿し込まれ、桃子はオーバーシーツを掴みながら、快楽に溺れそうになる心と必死で戦う。
リョウの舌が引き抜かれ、名残の糸が2人を結ぶ。
キラキラと光りながら細くなり重力に従い下へと切れながら落ちた。
リョウは上体を上へとずらし、桃子の髪を撫でながら顔を覗き込む。
紅潮した頬、ぼうっとした表情から、その『完成』が近いと確信する。
「桃子。もう一度言う。俺が、欲しいか?」
心の支配。
その完成は、相手がリョウ自身を欲することにある。
リョウの唾液には特殊な力があった。
それを相手が粘膜吸収することにより、相手を意のままに操ることができる。
リョウは父親の側近から、代議士の安西の妻である桃子を籠絡するよう命令されていた。
リョウに意思はない。
命ぜられるまま、何人もの女を抱いてきた。
命ぜられるまま、相手の家庭や社会的地位、社会的信用を奪ってきた。
リョウがその能力を自覚する前、リョウには愛した女性がいた。
その女性が自分の能力のせいで精神が壊れていく様を目の当たりにして、リョウの心もまた、壊れた。
自分を道具に貶めること。そうすることでしか、リョウは己の存在意義を見出せなかった。
道具に意思はない。
だからリョウは桃子に問う。
「俺が、欲しいか?」
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