蛇の涙#09~戸惑い~
桃子 編
「俺が、欲しいか?」
リョウは私の目を覗き込みながらそう言った。
なんだろう。
言葉は。
言葉はリョウを欲しがれと言っているのに、受ける印象はその逆だ。
俺を欲しがるな。
そう聞こえる。
リョウ。あなたはなぜ私を抱くの?
リョウ。あなたはなんのために私を抱くの?
でも、それを聞いたらリョウが脆く崩れてしまいそうで・・・
「・・・あんた、なんで泣いてるんだ?」
リョウは戸惑った顔をして、私を見つめている。
私はいつの間にか涙を流していた。
なぜだろう。
私を無理やり犯そうとしているこの男性を目の前にして、なぜ涙を流しているのか。自分にも理解できなかった。
でも、リョウの瞳の奥の・・・静かな湖の深淵を覗き込んでしまったような気がして。私は、何故だか涙が止まらなかった。
「・・・犯して。わたしをえぐるように貫いて。」
一瞬、リョウも泣きそうな顔をしたように見えてドキッとした。そんな私の視線に気がついたのか、リョウはアゴを引き前髪でその表情を隠すと私の胸元に顔をうずめた。
胸元に舌を這わせ、そのまま首筋までねっとりとなぶるように舐め上げる。
そして、私の頬を伝い流れている涙を遡るように目尻にキスをする。
「なぜそんな哀しそうに泣くんだ?」
そう言ってリョウはもう片方の目から溢れている涙を長い舌で舐めとると、私の顔をじっと見つめた。
「リョウ・・・。あなたこそなんで、そんなさびしそうな目をしてるの?」
私は少しためらった後、リョウの頬に手を伸ばす。
私から、私の意思でリョウに触れたのはこれが初めてだった。
しばらく視線を交わした後、リョウが私の視線を避けるように目を閉じた。
そして私を抱きかかえるようにその腕におさめると、ゆっくりと私のナカに入ってきた。
「リョ・・・。あぁっ。」
リョウの熱を躯のナカで感じながら、リョウの広い背中に手を伸ばす。
犯して、と願ったのに、今までで1番優しく私のナカを貫いてくるその熱を愛おしくさえ思う。
私の最奥まで辿り着くと、私を抱きしめたまましばらく動かなかった。
何故だかリョウが泣いている気がした。
リョウの心が、泣いている気がした。
だから私は、リョウを受け入れたまま、リョウを強く抱きしめた。
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