淫靡な研究室2#15~集結~
ヘリが中庭に着陸し、巻き上がる砂埃の中、涼介と弥生は地面に降りた。
涼介は不思議そうに辺りを見回すと、横にいる弥生に視線を落とす。
その視線に気がついた弥生は、笑みを浮かべながら、涼介に尋ねる。
「どうしたんですか?涼介さん。私の顔に何かついていますか?」
涼介は弥生の手を取ると、包み込むように両手で握った。
「ここに来て、苦しいような、しかしどこか幸せな気持ちになりました。そして立花さんをみたら、なんとも言えず愛おしい気持ちになりました。あぁ、ここはきっと貴女と私の思い出の場所なんだろうな、と思ったら・・・。貴女に触れたくなりました。」
そう言って笑う涼介に、弥生はきゅぅんと胸が締め付けられながら、涼介の手の上に自分のもう片方の手を置く。
「触れてください・・・。私は貴方のものですから。いつでも。どこでも。貴方の望むままに。」
「立花さ・・・」
涼介の顔が弥生に被さるようにおりていく。
「もしもし?」
急に声をかけられ2人はパッと離れると、声の主の方を見る。
腰に手を当てて呆れ顔で見ている麗香がいた。
その隣にはニヤニヤと笑っている健一が立っている。
「麗香さん!谷田部さん!来てくださったんですか?!嬉しいですっ」
麗香はギュッと弥生を正面から抱きしめる。
「弥生。がんばったね。えらい。」
「麗香さん…。くるし…。」
本当は感謝で泣きたいぐらいなのだが、涼介の前で涙は見せられない、と、弥生はあえて茶化す。
麗香もそれに気がついているので、さらにぎゅうっと、鯖折りのように腕に力を入れる。
ひとしきりそうやってふざけている横では、健一が涼介の横に立つ。
「俺のことも、姉貴のことも覚えてない?」
「?。すみません。」
謝る涼介に対し健一は複雑な表情を浮かべ麗香の方へ歩いていく。
麗香に二言三言声をかけた後、涼介の顔を見ることなく別荘へと入っていった。
「?」
弥生はそんな健一を不思議そうな目で追った。
麗香はふぅっとため息を漏らす。
「弥生、ごめんね。健一もちょっと複雑なのよ。」
麗香にしてはめずらしく、ふっと力なく笑った。
「ま、とにかく入りましょう。積もる話はそれからよ。」
そういって3人は健一の後を追うように、別荘の中へと移動した。
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