淫靡な研究室2#18~立証~
「自家中毒?!」
弥生は聞きなれない言葉に、思わず聞き返した。
弥生の正面に座る健一と、その横で立っている麗香を交互に見比べる。
「食中毒とか、そういった類のものですか?」
健一は少し笑いながら首を横に振った。
「違うよ。食べ物とかっていうわけじゃない。センセの場合、自分の血に攻撃されてるっていうのが1番わかりやすいかな?」
そう言って力無く笑う。
弥生はまだ飲み込めず、しかし、なにを質問して良いかわからない。
そんな弥生を見兼ねて、麗香が口を挟む。
「佐伯くんの中で、佐伯くんの血が佐伯くんを攻撃してるのよ。多分なんだけど、佐伯くん、自分の血のことで悩んでいたんじゃないのかな?」
「え…?そんなこと…。あ…。」
弥生は先日のキッチンでの情事を思い出していた。
そういえば、涼介さんの様子が変だった。その翌日、涼介さんがあんなことになって…。
「思い当たる節があります…。涼介さんがあんなことになる前日、様子が変でした…。」
麗香が弥生の横に立ち、弥生の頭を優しく撫でる。
弥生の目からポロポロと涙がこぼれる。
「そんな、自分を攻撃しちゃうほど、涼介さんは悩んでいたんですか?私、全然気がつかないで…。」
弥生は顔を手で覆い、体を前に傾けながら泣いていた。
「センセの中に流れる血は、逆境になればなるほどその成分が濃くなる。これは主を守る為の血の意思なんだと思う。」
健一は一言ずつ、言葉を選びながら弥生に説明する。
「たぶんさ、センセは弥生ちゃんの前では誠実でありたかったんじゃないかな?だからこそ今の自分が許せなくなったんじゃないかと思う。」
麗香が弥生の背中をさする。
「だから自分を、自分の中に流れる血を否定した。そしてセンセの中に流れる血がそれに反発した。俺はそう思ってる。現に、数値が異常だ。成分が濃すぎる。こんなの今までになかった。」
健一が手元の分析結果を見ながらため息をつく。そのあと、やさしい微笑みを弥生に向ける。
「弥生ちゃん。君は愛されてるんだよ。センセに心から。」
弥生の瞳からさらに涙があふれる。嗚咽をあげ、必死で指で涙を拭う。
しかし、ひとしきり泣いた後、弥生は顔を上げる。
「ごめんなさい。泣いている場合じゃないですよね。」
そう言って涙を拭うと、まっすぐ健一に向き合った。
健一はニヤッと笑う。
「さすが弥生ちゃん。切り替えたね。」
「はい。私が泣いても解決しません。泣いている場合じゃないです。谷田部さん、教えてください。涼介さんの記憶が戻る方法を。」
「よし。ひとつの可能性でしかないんだけど。よく聞いて。」
- 関連記事
←お礼ページ始めました♪
FC2ブログランキングに参加しています よかったら「つん」ってしてね♪ |
にほんブログ村ランキング(愛欲小説)にも参加 しています。押してもらえると小躍りします♪♪ |
人気ブログランキング(官能小説)に復帰でき ました♪押してもらえると跳ねて喜びます♪♪ |
官能小説.comのランキングに参加してみました♪ よかったらこちらもクリックしてみてください♪♪ |
官能文書わーるどのランキングに参加してみました♪ よかったらこちらもクリックしてみてください♪♪ |
いつも応援してくださってありがとうございます!!みんな優しくって大好きですっ
ささやかなお願い:
当ブログには「inポイントを稼ぐための騙しリンク」や「PVを稼ぐための意味の無い大量の空白行」はありません。
皆さんの愛(クリックや閲覧)だけで成り立っています。もし「しょうがねぇな、少しは応援してやるか」という気持ちになられましたら、バンバンクリックしていただけると泣いて喜びます。
当ブログには「inポイントを稼ぐための騙しリンク」や「PVを稼ぐための意味の無い大量の空白行」はありません。
皆さんの愛(クリックや閲覧)だけで成り立っています。もし「しょうがねぇな、少しは応援してやるか」という気持ちになられましたら、バンバンクリックしていただけると泣いて喜びます。
淫靡な研究室2 - 関連記事