淫靡な研究室2#19~月下で重なるシルエット~
夕食も終わり、弥生は麗香と風呂に入っていた。
「この露天風呂、懐かしいです。」
弥生はお湯をすくいながら話している。
「そうね、一年半ぶり、かしら?そういえば弥生にもう私とは一緒に風呂に入らないって言われたんだっけ?!」
麗香は笑いながら弥生にお湯をかけた。
「きゃっ。だって、あの時は麗香さんがえっちなことをするからっ。」
お返しとばかりに弥生は麗香にお湯をかけ返す。
しばらくそうやって2人ではしゃいだ後、空を仰ぎ息をつく。
「麗香さん、谷田部さんとすごく幸せそうです。」
弥生がそういうと、麗香はくすっと笑って弥生のほうを向く。
「ええ。幸せよ。」
弥生は驚いた後、嬉しそうに笑う。
「麗香さん、麗香さんらしい。」
そういって声をあげて笑った。
風呂から上がり浴衣に袖をとおし二人はそれぞれの部屋へと戻る。
弥生は鏡台の前で髪を乾かし整えると、うっすらと唇に紅を引く。
そして意を決したかのように、すっくと立ち上がり、部屋を後にした。
コンコン
涼介の部屋のドアがノックされる。
しばらくしてドアが涼介の手によって細く開けられると、そこから弥生が顔をのぞかせた。
「起こしちゃいましたか?」
涼介はドアを大きく開くと、いいえ、と答え弥生を室内に招き入れた。
弥生の頬を冷たい風が撫で、その方向へと目を向ける。
ベランダに出る窓があいており、カーテンが風に揺れていた。
涼介は弥生の視線に気がつき、窓のところへと歩を進めると、窓を静かに閉めた。
「良い月が出ていたもので、ベランダで見ていました。」
弥生は涼介の元へと近寄り、手を上げて涼介の両頬を包み込むように触れる。
ヒヤリとした感触が指先から伝わってくる。
「こんなに冷えて…。」
弥生がそういうと、涼介は弥生の手の上に自身の手を重ね、そのまま弥生の掌にキスをした。
目を伏せ掌に唇をつけるその様に、弥生はドキッとする。
やがて涼介の目がゆっくりと薄く開き、そのまま視線を弥生へと流す。
流れてきた視線を受け止め、弥生の心臓がうるさいぐらいに高鳴る。
「涼介さ・・・」
弥生の両手を握ったまま、涼介は弥生の唇に自分の唇を重ねた。
月明かりの中、二人のシルエットが1つになった。
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