淫靡な研究室2#23~原因~
「で、何をしたんですか、センセ。」
翌朝、弥生から報告を受けた健一は、涼介から無言で採血した後、そう尋ねた。
「・・・解毒剤を、打ちました。今ある分、全て。」
「今ある分って、センセ・・・」
健一の脳裏には、軽く10人分以上ある解毒剤のアンプルが浮かぶ。
健一は呆れ顔で涼介をみる。
その視線を感じ、少しバツが悪そうな表情を見せた後、涼介は話を続けた。
「佐伯の血が中和される計算だったのですがか何も変わらなくて。打った直後はなんともなかったのですが、帰ろうと街中を歩いている最中、クラッと。で、運悪く、階段をゴロゴロと。」
「ゴロゴロと、じゃないですよ。センセ。どんだけ弥生ちゃんに心配かけたと思ってるんですか。」
「・・・面目ない。」
健一は大きくフンっと鼻を鳴らすと、弥生の方に向いた。
「弥生ちゃんからもガツンと言った方がいいよ。」
弥生はにっこりほほえむ。
「私は涼介さんが元に戻ってくれただけで嬉しいので。」
そう言って隣にいる涼介の顔を見る。
それを見て麗香はクスクスと笑う。
それにつられて健一も笑い出す。
「まったく、やってらんねぇ。」
そう言って四人でいったん視線を合わせた後、上を向いて笑い出した。
数日後、弥生は健一に呼び出され、健一のオフィスまで足を運んだ。
「ごめんね、来てもらっちゃって。」
秘書がコーヒーを出し部屋を出て行ったのを確認すると、少し前のめりになって話を切り出した。
「いいえ。私、暇ですから。卒論も出しちゃいましたし。」
そう言って笑った後、真剣な顔になる。
「谷田部さん、涼介さんのこと、本当にありがとうございました。」
そう言って頭を下げる。
「俺は何もしてないよ?弥生ちゃんの想いが伝わったんだよ。」
弥生は健一の言葉を思い出す。
『センセが自分を否定している限り、おそらく元には戻らない。センセが自分を受け入れ、肯定することで、おそらく攻撃は収まるんじゃないかと思う。でも、これは口で言うほど簡単じゃない。わかるね?』
「谷田部さんのアドバイスがあったから、涼介さんの記憶が戻ったんです。」
嬉しそうに話す弥生を、健一は目を細めて見ていた。
「今日弥生ちゃんに来てもらったのはね、センセについてちょっと報告があるんだ。」
弥生は首を傾げる。
「この間、センセの血を採取した結果なんだけど。弥生ちゃんには報告しておいたほうがいいと思って。」
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