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まぬかん(旧名:h4a管理人)

Author:まぬかん(旧名:h4a管理人)
羽交い絞めにしておっぱいを揉む!
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淫猥病棟番外編5~それぞれの姫始め「田代×京子」編&その後~

「冷た・・・」

病棟の給湯室で、花瓶の水をかえようとした京子は、蛇口から流れる水の刺すような冷たさに思わず声を漏らした。

病室が少しでも明るくなるように。病室の主の気持ちが少しでも晴れやかになるように。
そんな思いを込めて病室に花を飾る。1日もかかしたことはない。

「あっ。師長。こちらにいらしたんですか?」

看護師の春奈が京子に声をかけると、京子はクスッと笑って春奈を諌める。

「葛西さん、私はもう師長じゃないわよ。」

「あっ。そうでしたっ。福田さ・・・じゃない。田代京子さん、ですね♪」

ニヤニヤと笑いながら春奈が京子の名前をフルネームで呼ぶ。

ほんの数週間前、田代の籍に京子が入った。
残された時間を夫婦として過ごしたい。
子供がいない田代は、残せるものは全て京子に遺したいとの考えからだった。

もちろん2人の間ではそんな話はしていない。しかし田代がそう思っていることは、誰の目から見ても明らかだった。

田代は徐々に筋肉が動かなくなるという原因不明の難病に侵されている。
年齢のせいもあり進行は緩やかではあるが、それでも確実に田代の身体を蝕んでいく。

こちらーーー田代の故郷の病院に転院した時は両足が不自由になっていたが、今は左手の握力が落ちてきているらしい。

『次は左手か。』

そう言って左手を握ったり開いたりしている田代の姿が京子の脳裏に浮かぶ。


「・・・さん、京子さん?」

春奈の声にハッとなり、京子は顔を上げた。

「大丈夫ですか?」

春奈が心配そうに京子の顔を覗き込む。

「ごめんごめん。ボーっとしちゃったわ。なんの話だったっけ?」

そんな京子を複雑そうな目で見ると、春奈は病院の敷地内で行われる工事について説明を始めた。

「私も実はよく知らないんですけど、これから数か月の間、工事が行われるらしいんです。シロチョーの病室はそちら側に近いですから、音とか気になるようでしたら他の病室に移ることも可能です、という話をしていました。」

そういって春奈はにっこりと微笑む。

「あぁ、そうだったわね。肇さんに聞いてみるわ。ありがとう。あ、そうだ。病室の蛍光灯が切れてしまったみたいなの。取り替えてもらえるかしら?」

「はい!わかりました!!」

春奈は元気よくそう答えると、その場を去っていった。



業者が休みだからということで、黒羽が他の空いている病室から蛍光灯を1本抜いてきて田代の病室に取り付けた。

黒羽を見る田代の視線が柔らかい。その田代の顔を見る京子の視線も自然と柔らかくなる。

「じゃぁシロチョー。俺たちは帰るから。」

「おう。また来年な。よいお年をお迎えくださいってヤツだ。」

そう言って左手を挙げる田代に、黒羽はくすぐったそうに笑い、田代と京子に頭を下げる。

その横で春奈も微笑みながら頭を下げる。

黒羽と春奈の背中を見送り、田代はパタンと左手を布団の上においた。

黒羽に気づかせないために無理をして左手を挙げたということが京子にはわかっており、京子は田代のベッドの横にある椅子に腰かけると、田代の左手を手に取りマッサージを始める。

「・・・悪いな。気ぃ遣わせちまって。」

田代がすまなそうに言うと、京子は笑顔で口を開く。

「あの二人。早く結婚すればいいのにね。」

「ん?あぁ、透と春奈チャンか。・・・たぶんアイツら、俺の病気が治るまでは籍は入れないとか考えてやがるんじゃないかな?」

京子が驚いて手を止め、田代の顔を見る。

「透はそういうヤツなんだよ。でもだからってそれに春奈チャンをつきあわせるなんて、まだまだガキだよな。はやく結婚して俺を安心させてから逝かせろってんだ。」

京子の片眉がぴくりと動く。

「今、なんて言いました?」

京子の剣幕に、田代は少しひく。

「まだまだガキだと・・・。」

「その後です。」

「はやく結婚して安心させてから逝かせろって・・・・あ。」

「"逝かせろ"?何言ってるんですか?黒羽先生だって葛西さんだって、私だって、あなたの回復を心から信じているのにっ。」

「・・・・」

「本人がそんな弱気でどうするんですかっ。」

「・・・悪い。」

「悪いって、本当に思っているんですか?」

「京子っ。」






窓の外では雪がちらつき始めている。

すでに積もっている雪に、新しい真っ白な雪が降りていく。





田代は握力が落ちたその左手で京子の後頭部を掴むと、ぐいっと引き寄せ自身の唇で京子の唇を塞いだ。

京子の頬を一筋涙がつたう。

田代はその涙に気が付くと、舌で涙をすくいとる。

「泣くなよ・・・。」

「だって・・・・。肇さんがへんなこと言うから・・・・。」

「わりぃと思ってるよ。でも、これが現実なんだ。」

「・・・黒羽先生が治してくれます。原因をつきとめてくれます。」

田代はフッと笑う。

「そうだな。透なら原因をつきとめられるかもな。でも、ここじゃ無理だ。研究用の機材も少ない。」

「肇さん・・・。」

「俺は若いモンの足枷にはなりたくないんだ。だから田舎に引っ込んだのにアイツついてきやがって。京子。お前も俺に遠慮しないで他の男のもとにいってもいいんだぞ。」


京子は驚いて田代の顔を見る。

「・・・本心で、言っているんですか?」

「・・・・。」

「それがあなたの本心なんですか?」

語気を荒げて京子が聞く。

下を向いていた田代が声を絞り出す。

「・・・違う。イヤだ。京子。俺をおいていかないでくれ。俺をひとりにしないでくれ。」

初めて見せる弱々しい様子に、京子は思わず田代を抱きしめる。

「私はあなたのもとから離れませんから。だって、私のすべてを貰ってって、お願いしたんですから。」

そういって田代にキスをする。

「京子・・・。いますぐお前を抱きたい。」

「肇さん・・・。」

「俺のモノが機能する間に、お前に俺を刻みたい。・・・お前は俺のものだって証を、残したいんだ。」

「肇さんっ。」

京子が田代に抱きついた。




ベッドの上で横たわる田代に京子がまたがる。

京子は田代に尻を向け、田代の肉棒を口に含み舌で転がす。

田代は右手の伸ばし京子のワレメを拡げるとその中心に舌を挿し込む。

「あ・・・・。もうダメ。肇さんのが、欲しい・・・・。」

「京子。おいで。」

京子は田代の方に向き直り、田代の腰を跨ぐと、ゆっくり腰を落としていく。

「んっ。あっ。」

己を割って挿入されてくる田代の太い肉棒。
その肉棒を歓迎するかのように、己の肉襞が蠢き、飲み込んでいく。

京子の腰をグッと田代の右手が掴む。

京子は田代の左手を掴むと、自身の腰を掴ませるように上から押さえる。

田代の上で京子が腰を上下させる。

「くっ。京子っ。」

「肇さっ。あぁぁっ。」

京子のナカに田代の白濁した液体が注がれる。

京子はそれを己のナカに長く留めておくように、躯をくの字に曲げ田代の胸に頬をつける。

「肇さん。私20年もあなたのことを、ううん。あなたと頼子のことを見守っていたんですから、少なくてもあと20年は一緒に居てもらわないと怒りますよ。」

「はは。怒られるのはいやだな。それに向こうにいっても頼子に追い返されそうだ。私の親友を悲しませるなって。」

二人は目をあわせ、ふふっと笑う。

「肇さん。私、とっても幸せです。」

田代は目を細めてそんな京子を愛おしそうに見ている。

「生きなきゃ、だな。お前のためにも、そして、俺のためにも。」






正月明けから開始された工事は数週間後に終わった。

既存の病院の横に、新しく棟が作られた。

そして、その完成とともに、病院の名前が変わった。経営が公から民へ委譲された。

その名前を知って、4人が驚く。

「医療法人財団佐伯会 新潟西病院・・・・。」

新しく建てられた棟には最新鋭の医療機器が配備されている。

また、一角には研究センターが設置されており、黒羽専用のラボも用意されていた。

「祐介・・・・。」

黒羽は言葉を失う。

その時黒羽の携帯にメールが届く。

メールを見ると祐介からで、開こうとすると電話が着信した。

---メールを送った後に電話をすぐにかけるのは相変わらずか。

そう思いながら黒羽は電話に出る。

「よぉ、クロちゃん、元気?」

祐介の明るい声が耳に響く。

「"ちゃん"付けはやめろ。」

黒羽はわざと不機嫌な声で答える。

電話の向こうで祐介が笑う。

春奈の怪我を直すために一緒に執刀してから数か月がたっていた。ふたりは数か月ぶりに会話を交わす。

「俺からのお年玉、無事出来上がったんだって?ちゃんと受け取れよ。」

「・・・・。受け取らない。」

「クロ?」

「預かっといてやる。そしていつか倍にして返してやる。」

「あはは。流行りの倍返し?クロからそんな気の利いた冗談が出ると思わなかった。」

「・・・・祐介。ありがとう。」

「うわっ。何?急にかしこまっちゃって。わけわかんない。」

祐介が茶化す様に笑いながら言う。黒羽もつられて笑う。

そして祐介が口を開いた。

「絶対シロチョーの病気、治せよ。」

「ああ。絶対治す。約束する。」

黒羽がはっきりと答える。

電話の向こうで祐介が微笑んでいる気配を感じ、黒羽も目を細める。

「それと・・・・」

祐介が言葉をつづける。

「それと、おまえ、さっさと結婚しろ。お前のことだからシロチョーの病気が治るまで、とか考えてるんじゃないのか?関係ねーよ。ばーか。」

そういって唐突に電話が切れた。

黒羽は思わず携帯を見つめる。

そしてまだ未開封だったメールがあったことを思い出し、メールを開く。

そして口角をあげる。

『いろいろ、頼んだぞ。』

祐介のメールにはそれだけ書いてあった。

その「いろいろ」という言葉に込められた思いに、黒羽は微笑みながらもクチをきゅっと結ぶ。

「任せておけ。」

そう言って携帯の電源を落とすと、田代の病室へ向かった。






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